●3/15から南武線は運転士のみのワンマン運転となっています。これに対し中原区でも「南武線ワンマン運転の見直しを求める中原区の会」を立ち上げました。6月1日にはスタート集会として学習会を開き、「公共交通は国民の交通権を保障する役割を担っている」ことを学びました。
●高津区・多摩区・幸区の市民団体とも連携する「南武線のワンマン運転化の中止を求める川崎市民連絡会議」として、6日、JR東日本本社に申し入れを行いました。
第一に求めた「ワンマン化の中止」については、「乗務員は人でしかできない仕事にシフトさせていくので、ご理解を」との回答。私は思わず「車掌こそ人でしかできない仕事だと思うが、JRはいったいどんな仕事を想定しているのか」と問いました。返ってきた言葉は「新たな価値の創造」。公共交通の役割を全く踏まえていません。JRの質が問われます。時間制限が厳しくそれ以上の反論はできませんでしたが。
●次の内容も求めましたが、いずれも現状で十分との回答。
1.運転士の負担を減らすため、運転従事時間を減らすこと。
← 法令・就業規則にのっとり運転時間を定めている(全く質問に答えていません)
2.ホームに駅員を配置すること。駅員は複数とし、JR社員とすること。
← ホームドアには支障物センサーを張り巡らし、支障があると発車できない仕組みになっている。事故が起きた場合には、輸送指令により、現場に駆け付ける体制をとっている。
3.ドアの操作などはタッチパネルで行っているが、操作間違いが起きやすいのでボタン式の機器に変えること。
← 運転士の声を反映してエラーが起きにくい配置としている。
4.問題が起きた時に乗客が使用する「非常通報機」を十分に設置し、周知を図ること。
← 車端部に一か所ずつ設置しており十分だと考えている。
●ワンマン化後、遅延の常態化、ドアに挟まれる事故の増加、停車駅を通過し降車も乗車もできなかった事故、何の説明もなく停車し5分以上車両の中に閉じ込められた事故、踏切の遮断時間の増加等々の実態を伝えました。
これらについては「実態を聞けたことはありがたい。必要なものについては分析を進めたい」と。ここは少し前進するか否か。(単なる運転士への締め付け強化にならなければいいが・・・)
●鉄道事業を縮小させ、ホテルや商業施設の比重を増し、安全性は二の次になっていくのか、それとも「交通権」を保障する公共交通の役割を堅持させるのか、JRの今後のありようがかかっています。
JR東日本のワンマン化は横浜線・京浜東北線・山手線などに拡大させていく予定です。無人化も視野に入れています。南武線から始まった私たちの安全性を確保するための行動でしたが、そびえたつ本社ビルを見上げ、日本の鉄道のあり方を左右する問題であることを実感しました。(2025.6.6)