◆「軍需産業相模原市の状況」の続きで宇宙産業についての勉強会も行いました。
◆自衛隊統合作戦司令部には「領域横断任務部隊」直轄統合部隊なるものがあり、米「統合軍司令部」に置かれている「多領域任務部隊」と連携している。直轄統合部隊の下に「宇宙作戦隊」「サイバー部隊」「電子作戦隊」が置かれている。
安全保障領域は、従来の陸・海・空に加え、宇宙・サイバー・電磁波にまで及んでいる。ロシアのウクライナ侵略を機に、宇宙の安全保障利用が顕在化した。以降、各国の宇宙産業の安全保障分野への展開は加速している。
◆次期防衛通信衛星は、自衛隊の部隊運用において不可欠な役割。防衛省は2026年2月、三菱電機と1,235億円で契約。
防衛通信きらめき3号の、打ち上げ運用は国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、ロケット製造は三菱重工。
◆防衛省は宇宙関連予算として過去5年間で3,000億円であった予算を一気に1兆円規模に引き上げ。これは「多領域横断」作戦で宇宙での軍事体制構築のためである。
◆2012年、宇宙基本法(2008年)を受けJAXA法改定。従来の研究機関から宇宙利用を推進する「国家プロジェクト実施機関」へ。民間先端的研究開発への助成など資金配分機関の性格も併せ持つ。
◆JAXAの背景:宇宙基本法による宇宙政策の大転換。「平和利用限定」から「安全保障含む利用」へ。宇宙条約(1966年)は、核兵器など大量破壊兵器の軌道上配置は禁止しているが、その他の兵器は禁止対象ではない。
◆神奈川県・相模原市・JAXA連携協定(2025.822~2027.3.31)
目的:県内に宇宙産業クラスターの形成強化を図る。
連携事項:県内企業の関連産業への参入促進、宇宙関連産業の誘致及び企業の促進、企業・自治体・学術機関の連携促進等。
◆相模原市の取り組み
①広域スタートアップ支援ネットワーク形成事業において、宇宙産業をはじめとしたベンチャー支援プログラムの実施。
②企業立地奨励金制度「ステップ50」:立地に要した費用の40%以内(最大10億円)の奨励金交付、リーディング産業(ロボット・航空宇宙産業等)に該当する企業が土地・家屋等取得した場合20%の奨励金、工場や本社が初めて市内に立地した場合10%の奨励金等
◆防衛省の取り組み
①国内外最先端技術の導入・活用を積極的に進める
②企業、学術研究機関との連携を密にし、他省庁の研究開発機関等との連携も強化
③宇宙領域にかかる同盟国・同志国との連携強化
◆軍事費拡大で国内軍事産業大幅増益
*三菱重工業最高財務責任者は「想定以上の規模で受注ができた」。事業利益は前年度比38%増
*三菱電機も24年度は前年度の営業利益10億円を大幅に上回る284億円の利益
*防衛装備の範囲は、宇宙やサイバーに広がる
*2025年、海面上のブイと有線・無線でやり取りする技術を確立、遠隔探査衛星を経由し、深海のデータをリアルタイムで地上に送ることが可能となった
◆宇宙が安全保障領域に加わったことで、軍需産業は質的にも規模的にも飛躍を遂げています。三菱重工・三菱電機・NECなどが活気づいていることも見て取れます。産業の行方を考えると深いため息が出ます。(2026.5.18)




宇宙でも軍事体制構築 |君嶋ちか子|前県議会議員
相模原に見る軍需産業 |君嶋ちか子|前神奈川県議


