●毎月11日はフラワーデモ。
デモと言ってもスタンディングですから、プラスターを胸に掲げ、一列に並んで立っていると、静かにその時間は過ぎてゆきます。
声を出さずに、チラシも渡さない・・・通常私たちの政策の訴えにこの二つはつきものですが、フラワーデモは、少し事情が違います。やはり声高に訴える内容とは違うと思います。目を向けてくれる人に静かに伝わっていくのが相応しいのかもしれません。
●ここでは参加者も含め、スタンディングの写真撮影は禁止としています。様々な当時者もいるわけですから、必要なルールだと思います。
およそ、「運動」などとはかなりの距離があった分野です。人前には出しづらい問題を可視化し静かな抗議や意思を示す、新しい形態だと思います。
●フラワーデモは2019年4月11日、性暴力に対し無罪判決が相次いだことに抗議することから始まり、間もなく全国47都道府県全てで取り組まれるようになりました。
この取組は刑法改正に結びつき、「強制性交罪」が「不同意性交罪」に変わり、暴行・脅迫などの強制力がなくても、同意のない性的行為は犯罪とされ、刑罰の要件として「経済的・社会的地位の利用」や「恐怖・驚愕させる」などの8つの行為が加えられました。
このような大きな成果もありますが、まだまだ問題は残っています。法的には公訴時効の延長などが差し当たって必要ですが、法的な問題だけではなく、何といっても個人や社会の認識が変わらなければ。
その為の一つとして、この静かな取り組みは続きます。
●終了後の参加者の交流も貴重です。小さな円陣で一人一人が思いを語ります。
沖縄出身の方が「米兵の暴力事件は感覚がマヒしてしまうくらい頻発している。そして米兵はそれによってほとんど責めを負わない。人を殺す訓練をしている軍隊において、暴力はむしろ勲章になっているのではないか」との趣旨の発言がありました。深く頷けます。軍隊の体質は戦争の本質と無関係ではあり得ません。
●私は包括的性教育の重要性を、先日の浅井春夫氏の話を思い起こしながら話しました。日本において性教育は緒に就いたばかりだと思います。神奈川県議会において共産党県議団の求めた結果、包括的性教育について一定の前進はありましたが、「はどめ規定」(学習指導要領で受精や妊娠を取り扱わないとされている)をはじめまだまだ不十分であることを、浅井さんの学習会でも思い知らされました。
私も属する「黒岩知事の人権侵害を無かったことにさせない女性の会」でも、包括的性教育を拡充させることを、いま知事に求めているところです。 包括的性教育が豊かに発展することにより、人間性がより尊重される社会に近づくことができると思います。(2024.9.11)