●共産党川崎市議団主催の包括的性教育の学習会に参加しました。講師は浅井春夫立教大学名誉教授。
黒岩知事の人権侵害ともいえる女性問題など通じ、包括的性教育の必要性をいたく感じてきたこともあり、興味深く参加しました。
●浅井さんは、日本の性教育政策には次のような問題点があるといいます。
①「寝た子を起こす」論
コンドームや避妊・中絶などを学ぶと、性行動を誘発するという虚構
② 学習指導要領の「はどめ規定」
小学5年理科「人の授精に至る経過は取り扱わない」、中学1年保健体育「妊娠の経過は取り扱わない」 ➡ 性交はブラックボックス化
③ 教科として位置づけず内容も抑制的
少なくない国が独立した教科として位置づけ
④ 道徳教育と性教育が相いれない
*教え込み主義 VS マナブプロセスの重視、
*一つの結論に集約する学び VS 多様な考え方を認めながらの学び
⑤ 国家の求める人間像に象徴される教育と一人一人の人間の幸せを追求する性教育との隔たり
●これらの不十分さを克服する教育が望まれますが、その際のポイントが示されました。
① 自らの体をよく学び知ることが自己肯定感に繋がっていく。
② 性的自己決定・選択能力を獲得するために、性の科学的情報と人権を学ぶこと。
③ 避妊を実行するか否かの決定権は男性にある。その責任を果たさせる。
④ 中絶の決断は女性に押し付けられているが、女性の性的健康と人権尊重のためには避妊における判断が重要。
⑤ 安全な中絶を選択できる専門的サポートが得られること。
⑥ 非暴力と平和な人間関係を育むために包括的性教育の学びは不可欠。
⑦ 親密な人間関係がどのように性的な関係に変化していくか実践的な学びを。
⑧ 性の多様性を尊重できる人間観を。
⑨ 不正と偏見と差別を許さないための学びを。
⑩ 科学と人権を使いこなす主体性を確立する。
●共産党神奈川県議団として求め、一定進んだ県教育委員会の包括的性教育についても言及。
*体の大切な個所を4か所に限定(4か所に限らず体はどこだってプライベートゾーン)
*性の多様性の視点が欠落
*体の学習が位置づいていない
*はどめ規定にとらわれてはいないか
等が懸念材料として示され、大事なことを気づかされました。思い込みも少なからずありました。
県の取り組みとして進んだことを歓迎していましたが、内容の検証が必要です。県教委の指針を対象として実践的な学びを是非次回に。(2024.7.27)