●「なかはらゆめ区民祭」が4年ぶりに開催されました。
4年ぶりというのは、コロナで2020年、21年とできなかったのですが、その前の19年も台風被害で開催できなかったからです。催し物広場に山と積まれた水害被害の道具類の光景を思い出します。
そのあとのコロナを経て、ようやくこの場を迎えたな、という感慨を覚えました。台風被害、新型コロナ感染症と社会は試されました。
出展も例年よりは減っていますが、ともかくもこの開催にこぎつけた、また一堂に会することができたという思いが会場からも感じられました。
●中原区民祭は1979年から行われていました。官民一体というか、市の外郭団体からNPOや市民団体まで、混然と構成されているのがいいなと思います。実行委員長を町内会連絡協議会会長が務め、中原区長が顧問となっています。
●式典や様々な発表が行われたステージ、模擬店広場などのほか、子供フェスタでおもちゃの工作など、行政相談コーナーや様々な工夫が凝らされていました。
でも今年は気がかりが二つ。いずれも今までになかったことです。
●その一つは、体験広場。
今回は「自衛隊車両展示&子供迷彩服試着」コーナーがあり、ぎょっとしました。子どもが乗り込んだりしていましたし、自衛官募集の幟もはためいていました。
区民祭になぜこれを持ち込まなければならないか。地震体験車などは防災の観点から意義があると思いますし、市所有の消防車です。
それに対して、自衛隊車両をわざわざ持ち込むことに、どんな意義があるのでしょうか。また迷彩服を子どもに試着させることにどんな意義があるのでしょうか。
自衛隊側からいえば、市民に親しみを持ってもらい自衛隊員募集につなげたいという意図は働いているのかもしれませんが、自衛隊はやはり特殊な公務員です。集団的自衛権を肯定する政権の下で海外の戦争にも駆り出されかねない自衛隊です。
一方的に自衛隊のPRを区民祭で行うことに「異議あり!」です。この問題、市にも是非問いたいと思います。
●もう一つは、相談啓発コーナーに設けられた「川崎市は特別市を目指します!」の展示。
福田市長はこのキャンペーンを強めていますが、これについても区民祭に持ち込むか!?」と思いました。市民の意見を募集するものでもありませんから、一方的なPRです。この方向性に議会の了解も得ていないと思いますから、区民祭で情報提供すべき段階でもないと思います。
市長はこの構想のPRのために芸能人を使うなど税金もふんだんに使っていますが、この構想はどのような過程を経て作られたのでしょうか。市民の議論を保障するような材料は提供されているのでしょうか。
私がこれまで接してきた範囲では、市民の側にメリットがあるとは思えません。神奈川県から川崎市だけ切り離し、警察行政・災害対策・感染症対策等々広域性を伴う対策を、神奈川県から切り離してどのように機能させるのか、また害悪として指摘する「二重行政」は、排除する対象なのか、など、いずれも特別市として切り離すことへの問題点が認められます。
この提案方法・提案内容についても、検証が必要です。(2022.10.16)