君嶋ちか子

きみしま 千佳子
神奈川18区から政治を変える
働く場と学ぶ場に希望を!
神奈川18区女性・雇用相談室長前神奈川県議会議員
活動日誌

ギャンブル依存症自助グループの取り組み |君嶋ちか子|神奈川県会議員

2022年5月31日

●ギャンブル依存症の自助グループの集まりにお邪魔しました。私はこれで二回目ですが、今回はおおば市議と一緒です。

ギャンブラーズ・アノニマスとはギャンブル依存症を抱える当事者の自助グループです。1957年にアメリカで始まり、日本では1989年に支部が立ち上がっています。各グループは略称「GA」を使っています。2022年5月1日現在、46都道府県で204のグループが活動しています。

GAのメンバーになるにあたって必要なことはただ一つ、ギャンブルを止めたいという願いだけということです。

自ら場所を借り、当事者同士でミーティングを行います。進行や世話役は幹事の方が行います。

ミーティングでは、自らの経験や今の思いを語りますが、話す内容に制限はありません。但し、質問や他の参加者への意見や評価は述べないことになっています。自由に話すためでしょうね(これは私の勝手な推測)。

●ミーティングに参加することにより、ギャンブルを断ち切って暮らしているという経験は、多くの方から語られました。

自らの苦しさを話す、ギャンブルに支配されていったさまを話すという事で、解放されていくものがあるんだと思います。また逆に、他の人の話を聞くことによって、荷が軽くなったり、他の人の存在が、誘惑にかられそうになった時に踏みとどまる要素にもなるのかもしれません。

●GAのミーティング前に使用するパンフレットには、「経験と知恵と力を分かち合う」と記されています。

借金まみれになった方が抜けだした後の実感を語る際に「ウソをつかなくていいというだけでこんなに笑えるんだ」という言葉がありました。依存症とそこから派生する苦しみの重さを感じさせました。笑うことが一切できない数年間だったと思います。

「残された人生を豊かに生きたい」という言葉も印象的でした。

自助グループと巡り合い、新しい人生を歩む方がいることは、本当にうれしいことです。

一方で、未だもがきつづけている方も多いことと思います。ギャンブル依存症の方の数は、患者数としては約3200人とされていますが、ギャンブル依存症が疑われる人は約70万人と言われます。(厚労省HP)

●行政に望むことはあるのかという私たちの問いには、第一にGAの存在を知らせてほしい、第二にミーティング可能な場所を確保してほしいという事でした。

私はこれらに止まらず、依存症を誘発する社会や、様々な要因が重なりギャンブルなどに追い込む状況を考えざるを得ませんでした。

パチンコが依存症発症のきっかけとなっている事例を多くの方から聞きました。それを裏付けるかのように、「ギャンブル依存症が疑われる人の中で、パチンコ・パチスロが中心と答えた人は約8割」(久里浜医療センター研究グループ医師)というデータもあります。

もちろんパチンコの全てを否定するつもりはありませんが、日本ほどそのリスクにさらされている国は無いのでは、と思います。多くの駅の前や繁華街には、大きな店舗が控えています。いつでもどこでも入れます。

またギャンブルに追い込まれるという後者の例では、DVや家庭崩壊の経験など、ギャンブル以外の困難な事例を多く抱えながら、ギャンブルでも苦しむという例も聞いています。

その問題を生み出す社会的要因を改善していくことは政治の大きな役割だと思います。

行政の役割以外にも、人間の脆さや、苦しみ、そして希望について、考える機会ともなりました。(2022.5.22)

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