●また臨時議会です。
まん延防止重点措置が、当初11日までだったものが、31日まで延長されることとなり、新たな協力金制度に伴う補正予算案の審議のためです。
感染者数や、重症者数は伸び続けています。これまでの対策、関西や東京の緊急事態宣言、神奈川県などの蔓延防止策が2週間経ても歯止めになっていないという事です。
神奈川県の4月第1週の新規感染者数合計が954名、第4週合計が1620名という具合です。
●11日、知事からの提出議案審議を付託された産業労働常任委員会が開かれました。
提案された「新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金(第10弾)」は、これまでの9市に8市町が対象として加わりました。
今回更に施策に取り込まれたのが、大型商業施設などへの時短要請です。
人数上限が5000人、面積1000平方メートル超の施設は、措置区域においては20時まで、措置区域外においては21時までの営業時間短縮要請が出ます。面積1000平方メートル以下の場合は「要請」より弱い「働きかけ」となります。
これらに該当するショッピングセンターなどのテナントも対象となりますが、生活必需品を扱う店は対象外となります。
協力金額は面積1000平方メートルごとに20万円×「短縮した時間/本来の営業時間」というもの。(テナント・出店者などは20万円を2万円に替えて計算)
実に複雑な仕組みを取り入れたうえに生活必需品の範囲も、その時点では特定されていませんでしたから混乱は必至です。
何よりも実効性が疑われます。制度は混迷を深めました。国から8日に急きょ求められたとの事です。菅政権の混迷を象徴しています。
これらの事業のために、歳入歳出ともにそれぞれ557億6342万2千円の補正予算が組まれました。国庫補助金が552億6358万2千円、一般財源基金からの繰り入れが4億9984万円です。
●産業労働常任委員会においては次の質問をしました。
1 大型商業施設など人出のピークは日中であり、夜間20時までの時間短縮などは、感染予防上どれ程の効果が認められるのか。どのような根拠に基づき施策とされたのか。
【答弁】人と人の接触を避ける必要がある。(そういう意味で、純粋に効果を考えるなら昼間でしょという話)
2 協力金制度も弾を重ね、複数の申請中という事業者も多いが、例えば3弾が保留となっていれば、4弾・5弾も審査されないとの説明を受けているケースがある。保留の内容によっては、その後に影響する場合もあるが、基本的には、それぞれ独立した申請であり可能なものは、審査を進めるべき。
【答弁】基本的には独立した手続きと考えている。可能なものは審査を進める。(この基本が明言されたのは良かったです)
3 酒類終日提供自粛も根拠なく突然持ち込まれた。時間短縮協力金支給の要件となっているだけでこれ自体には何の保証もない。時間短縮よりはるかに経済的ダメージが大きいお店もある。酒類の提供自粛自体を新たな補償対象とすべき。
【答弁】酒類の提供自粛は要件。(それはわかって質問しています! 何回か質問趣旨を繰り返しましたが、らちが明かず)
●いくつかの問題点や不十分さはありますが、協力金の支給のための補正予算案には賛成しました。
意見発表では次の点を述べました。
*「飲食が急所」「人の流れを止める」というのであれば、夜間時間短縮だけでいいのか。対策が中途半端。検証を行うべき。
*「時間短縮協力金」に止まらず、神奈川県として感染予防策の全体像を明らかにすべき。
*協力に対する謝金という位置づけを改め、営業補償とすべき。財源を国に求めるべし。持続化給付金第2弾を求めるべし。
*大型商業施設を中途半端に取り込んだことにより混迷は深まった。国から急に持ち込まれ県担当者も大変だと思うが、未整理の基準などを早急に整えてほしい。
*また何より感染予防策としては、検査の拡充など医療的な対応を強化すること。地域経済を活性化させるためにも感染抑制が必須。
これらを踏まえ、この後開かれた本会議においては、大山議員が賛成討論を行いました。(2021.5.11)