●森東京オリンピック・パラリンピック組織委員会会長が2月3日に行った発言は、問題発言の見本のようなものです。
ニュースで耳にした時、「ワッ!スゲー」という感じで受け止めました。女性蔑視だけでなく、蔑視や偏見のオンパレードです。
*「(オンラインの会議公開について)これはテレビがあるからやりにくいんだが」
*「女性理事を4割というのは文科省がうるさく言うんでね」
*「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります」
*「女性は競争意識が強い。だれか一人が言われると、自分も言わないといけないと思うんでしょうね」
*「新聞に漏れると悪口を言ったと書かれるが」
*「女性を増やしていく場合は、発言時間を規制しないと」
*「(組織委員会の女性は)みんなわきまえておられる。お話もきちんと的を射た」
女性に直接関わるもの以外では、テレビ・新聞などに対する偏見や迷惑物扱い、「うるさく言う」文科省に対する恨みを素直に語っています。女性は増やしたくないけれど、文科省がうるさいから増やしたらこの結果だといいたいんでしょうね。
●反響の大きさに、翌日謝罪会見をするのですが、これがまた凄い。
▼「皆さんのお仕事に支障があるようなことになってはいけないと考え、お詫びし、訂正、撤回する」・・・はいはい、内容に問題があるとは思っていないという事ですね。
▼「辞任するという考えはない。皆さんから邪魔だといわれれば、老害から粗大ごみになったのかもしれないから、掃いてもらえばいいんじゃないか」・・・「掃く」等と被害者顔で、実は人間蔑視。誰も掃くなどと、乱暴なことを言ってはいません。
▼「誤解を生んじゃいけないので撤回すると申し上げている」・・・誤解ではありません。明確にあなたは歪んだ認識を示しています。
▼(オリンピック精神に反する発言をした人物は会長に適任かと問われ、いらだちを隠さず)「さあ。あなたはどう思うか」・・・聞かれたことに応えない。この場は反問できる場ではありません。
▼「そういう話はもう聞きたくない。面白おかしくしたいから聞いてんだろ」・・・謝罪の場であることを「わきまえず」開き直り、そしていつものマスコミに対する恨み。
▼各競技団体から女性が多いと会議が長くなると聞いているのかと問われ、「そういう話はよく聞く」・・・この話が本当ならば、競技団体も森氏と似たり寄ったりの体質か。こんな話題度が度々なされる水準なのか、まだ。
▼森さんの五輪を見たくないという声もあるといわれ、「だから撤回をさせていただきますといっている」・・・ここは謝罪する気持ちのある人なら、「重ねてお詫びします」というでしょうね。
とまあ、こんな具合です。
●首相と官房長官は、学術会議には人事介入しながら、森発言については、「私が言うべきことではない、組織委員会が自ら決めること」と逃げの一手、実にご都合主義。
二階幹事長もひどかった。「撤回されたのだから問題ない」「事態が落ち着けば、その人たちの考えも変わる」「どうしても辞退するというのなら新たに募集する」と抗議の意味を全く理解していない模様。
本人と周りの人間が口をひらけば開くほど、国民の怒りを広げる状況。森氏とその周辺の認識、実に深刻。
●2月10日には、辞職を求めるネット署名は14万人を超えました。抗議の声は組織委員会に4500件、東京都には1400件、ボランティア辞退者は500人に迫ります。
経済界も珍しく声を上げています。大会スポンサーに名を連ねるトヨタ・ENEOS・キヤノン・JR東日本・日本生命保険等々。消費者や国際世論の反応を意識してのことだろうと思います。
スポーツ界、海外メディアや国際人権団体からも厳しい声が噴出しています。
●8日には、日本共産党神奈川県委員会主催で、宣伝行動を行いました。県議団からは大山議員・上野議員・そして君嶋が参加しました。
「わきまえない女が歴史を動かしてきました」と、私は「わきまえない女」に誇りを覚えながら。
森氏が好む「わきまえる女」を乗り越えようと、SNS上では「#わきまえない女」が溢れました。(2021.2.8)