君嶋ちか子

きみしま 千佳子
神奈川18区から政治を変える
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神奈川18区女性・雇用相談室長前神奈川県議会議員
活動日誌

ロッカーで仕切られた保健室と職員室、分教室の矛盾 |君嶋ちか子|神奈川県会議員

2020年11月19日

●神奈川県は、全国一分教室が多く、20教室もあります。

分教室というのは、特別支援学校の生徒が増え続ける中で、特別支援学校をつくらずに、本校から離れて県立高校の空き教室を使う方式を指しています。分教室が多いことは、特別支援教育にお金をかけていないことの証というべきものです。

●今回平塚盲学校・ろう学校の訪問の後、保土ヶ谷養護学校舞岡教室を訪ねました。ここは県内最初の知的障害高等部の分教室です。また保土ヶ谷養護学校の分教室はここだけではありません。平沼分教室もあります。

門を入る時に真っ先に確認したのは、分教室の表札です。以前みどり養護学校の新栄分教室を訪問した時に、外に分教室の存在を示すものが何もないことに私たちは声を上げ、その後か表札がついた事を知らされました。だから注目したのですが、木製の表札がありました!

●分校ではなく分教室となっていることから、校長などがいない体制上の問題もありますが、明らかに大変なのが、設備です。

通常5つの空き教室が分教室として用いられます。学年ごとに一教室を使用。職員室と保健室併用で一教室。残る一教室をここでは更衣室と多目的ルームとして使用しています。体育や行事に使う機材・掃除道具などは、納める部屋が無くて廊下に山積みとせざるを得ません。

「職員室。奥のロッカーの裏側が保健室」

●保健室と職員室の区切りはロッカーです。以前のみどり分教室でロッカーで隔てられた保健室を見た時は、ショックでした。生徒が養護教諭と内密な話をしたくてもできない、教師が生徒に知らせたくない話しをしたくてもできない等、それぞれの機能を果たせないですし、それぞれがとても粗末に扱われているような気がしたからです。

当然ながらここも同様でした。職員室も狭くて大変との声も伺いました。

「職員室。奥のロッカーの裏側が保健室」

●毎日朝夕必要な更衣も、男子生徒は教室の後ろで。女子生徒は多目的室兼用の更衣室を使いますが、教師の更衣は、生徒が使う奥のスペースを男性・女性兼用とのことです。

「更衣室は他の用途もあるため、貼り紙を用いながら使用」

5教室しか使えないため、こんなひどい状態になっています。

分教室は早く解消し、特別支援学校を必要なだけ作ることが本来ですが、当面分教室が存在する間は、教室を最低でも二つ増やすことが必要です。

「廊下に積まれた器材等」

●調理室・音楽室・美術室などの特別教室及び体育館は、高校と調整しながら「使わせていただいている」とのことでしたが、図書館は使ったことが無いそうです。この「使わせていただく」感が、常につきまとい、分教室の立ち位置を象徴していると思います。遠慮しながらの学校生活は、分教室の生徒にとっても、県立高校の生徒にとっても、いいことではありません。差別意識を増幅させることにも繋がりかねません。

図書館を使ったことが無いといわれたのは、今回のショックです。前回のみどり分教室では気がつかず聞いていなかったのですが、思いがけない答えに「ええーっ!」と。

●分教室視察2度目の今回、ますます、分教室の矛盾を感じました。

それにもかかわらず、湯河原に新しく校舎をつくりながら、小田原養護学校湯河原・真鶴方面分教室としてしまったことも、特別支援学校にお金をかけない表れであり、改めて悔しく思います。

少子化を大義名分として県立高校の統廃合を進め、特別支援学校の在籍が想定規模をはるかに超えても、分教室でお茶を濁す教育委員会の姿勢が、本当に残念です。(2020.11.12)

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