●県立循環器呼吸器病センターに続き、30日は県立足柄上病院に伺いました。
病院前には、地域の方がつくった応援メッセージの横断幕が張られていました。
ここも、2月5日のクルーズ船感染者受入れ以来、ご苦労されています。
●3月には院内対策本部を設けています。4月に、重点医療機関指定を受けて、中等症患者受け入れに備え、入院患者の方の転院、救急患者・新患外来受け入れの停止、手術の停止を行っています。
この状況に対し5月には、1市5町から知事あてに要望書が出されます。「コロナ重点医療機関になったことで、地域医療の拠点機能が失われた現状を改善してほしい」という内容です。上病院がこの地域で果たしてきた役割がうかがえます。
●その後、受入れが少なくなった6月には、救急患者の受け入れ、通常診療の再開をします。7月には、PCR検査(検体採取まで)を開始し、一般病棟の一部を陰圧化し、コロナ患者用病棟とし、感染拡大に備えています。9月には発熱者外来を設置しました。
●院内を一部見せていただきました。
簡易陰圧装置を備えた3号館3階は、現在休床し感染拡大に備えています。
次に1階にある現在の感染症病棟へ。第二種感染症指定医療機関である当院は、従来から感染症病棟として6床が確保されています。
同じく1階にあるリハ室を、簡易工事により個室化した救急外来ブースとして使用しています。各ブースに陰圧装置とベッドを備え、必要に応じてPCR検査・胸部CT・血液検査などを行っています。
●やはり、当初は治療方法も確立されていず強い緊張を強いられ、精神的不調をきたすケースもあったそうです。
「足柄上病院ジャーナルかけはし」には、次のような報告も。病態を子細に観察しながら、副作用の少ないぜんそく薬シクレソニドを試み、「ウイルス増殖を阻害する働きが認められた」「吸入を始めてから2~3日で、解熱や食事摂取量の改善など顕著な回復兆候が見られた」等の記載や、国立感染症研究所の拡大対策会議に参加し情報共有を図る記載が。道の病と必死に格闘される皆さんの姿が浮かびます。
これらを経て現在は、治療もある程度安定的に行える状態との言葉にホッとしました。
●入院・外来を休止していた5月には、通常の6割減となり30億円の赤字が出たとのこと。ここでも財政支援の拡充が望まれます。
また、この間の診療や健診の中止により、住民の方が病院離れしないかという懸念もお聞きしました。
●産科は現在休止していますが、通常はドクター無しで助産師のみの出産を行っています。婦人科は、非常勤医師で診察を行っています。医師不足で産科が安定的な体制を取れないでいます。産科は小田原市民病院との連携がなされているようですが、地域ごとにあることが必要です。
1市5町の要望書に示されているように、住民にとってこの病院は命綱。お産も同様です。安心して出産できるように体制強化を図らねば。
●この二日間でしみじみと思うことは、やはり、それぞれの特色活かした病院が地域ごとにある事の大切さです。仮に採算性が悪い地域でも、病院は存在しなければいけません。その点からも公的病院はとりわけ重要です。
厚労省の「公立・公的病院の再編統合」などとんでもありません。感染症の危機にさらされることは、これからも残念ながらあり得ます。余裕を持った運営が必要です。(2020.10.30)