●少人数学級への願いがいよいよ切実な中で、「少人数学級実現の学習交流会」が開かれました。日本共産党神奈川県委員会の主催です。
メインの講演は、共産党文教委員会責任者の藤森毅さん。あらましを以下に。
●ついに射程距離に入った少人数学級
*5月22日 日本教育学会が、教員10万人増を提案
*6月2日 共産党、教員10万人増と少人数学級を提案
*6月10日 志位委員長の質問に応えて安倍首相「コロナ後を見据えて(少人数学級について)検討していきたい」
*7月8日 全国知事会・全国市長会・全国市町村会の三会長が少人数学級実施を要請
*7月17日 「骨太方針」閣議決定に「少人数による指導体制の計画的な整備」の検討が盛り込まれる
*8月20日 中教審特別部会中間まとめ(案)に「少人数編成」(編制含む?)盛りこまれる
*自民党教育再生実行本部「30人学級」の推進求める決議
*文部省概算要求で「学級編成の標準の引き下げを含め、少人数によるきめ細かな指導体制の計画的な整備」の検討を要求
●変化を促した要因
*コロナ感染症による促進
*身体的距離を保つ必要
*分散登校で全国的に少人数を経験
●多様性が求められる時代
*丁寧に関わる人数には限界がある
*子どもの学びが変わる
●世界の少人数学級
*世界の主流は20~30人学級
*OECD諸国平均学級規模は小学校21人、中学校23人
●未来にお金を使う国に
*教育に予算を!
・教育予算のGDPに対する割合、日本は、OECD中最下位(OECD平均 4.0%、日本は2.9%)
・日本の教育予算をOECD平均まで引き上げるには、6兆円が必要
・小中学校を30人学級にするために必要なお金は、教員増だけで7800億円(これだけ増やしてもGDP比2.9%が3.0%になるだけ!)
*先生が未来を語れる国に!
●以上あらましですが、日本の教育がつまりは子どもが、どれだけ粗末に扱われているかに改めて愕然とします。
少ない予算で、教室に40人を詰め込んで、先生に長時間労度を押し付けているから、現場からは悲鳴が上がり、教員志望者も減っています。政治が教師も粗末に扱ってきた結果です。
フィンランドでは、教師の夏休み2か月以上、仕事も午後3時には終了するそうです。日本でも、教育費GDP比2.9%をOECD平均の4%に引き上げるような国になるだけで、どんなにか子どもと教師の笑顔が増えることかと思います。社会が明るくなるに違いありません!
来年度の防衛費5.5兆円が計上されていますが、教育予算6兆円を増やす方が、よほど日本を守ることに繋がると思いました。何せ、日本社会は、他国の攻撃より先に内部から壊れ始めているのですから。(教員の過労死が起き、子どもの幸福度調査ではOECD38か国中37位です)
●こののち、県内各自治体の教員、保護者などから発言が続き、コロナ禍で矛盾が激しくなっている現状が、数々出されました。
私は県議団として、教育長の少人数学級に対する態度、先日全会一致で可決された「少人数学級実現を求める意見書」の顛末及び日本共産党の果たした役割などお話ししました。 (2020.10.17)