●2019年第一回定例会の議論が始まり、知事の提案説明がありました。
一般会計予算総額は1兆8299億円(前年度比99.8%)。特別会計と企業会計を加えると4兆0155億円。
一般会計財源は、県税1兆1853億円、地方交付税910億円、県債1582億円など。
31年度当初予算案の主要な政策については以下の通りです。
●第一に「エネルギー・環境」について。再生エネルギーの導入加速化、蓄電池の導入や電気自動車やプラグイン・ハイブリッド車を蓄電池として利用するV2H設備導入に対して補助制度を創設など。
第二に「安全・安心」について。防災行政通信網の再整備、道路・橋梁・河川等の整備推進など。
「犯罪や事故のない安全な地域づくり」のために信号機などの交通安全施設を整備、摩耗の激しい道路標示について緊急的な補修を実施。
第三に「産業・労働」について。「セレクト神奈川100」の募集期間を1年間延長。中小企業制度融資は前年度と同額の2600億円。創業支援融資の金利引き下げ。
新たな観光の核づくり、県西地域等の活性化など観光資源の発掘・磨き上げ等(観光については延々と続きます)。
第四に「健康・福祉」について。障がい者支援策、地域の保健医療体制の整備など。
「ライフステージに応じた未病改善の取り組み」、「保健・医療・福祉人材の育成と確保・定着」では、介護福祉士の資格取得を目指す外国人留学生の受け入れ促進など。
第五に「教育・子育て」について。幼児教育・保育の無償化、保育士確保の取り組みなど。
県立高校のスクールカウンセラーの増員、「新まなびや計画」加速化など。
第六の「県民生活」はワ-ルドカップとオリンピック・パラリンピックのみ。
第七の「県土・まちづくり」は、オリンピック・パラリンピックに向けて、幹線道路をの整備。羽田連絡道路の整備を引き続き支援など。
●条例改正案、補正予算などについても触れていましたが、予算の説明として、「健康・福祉」「教育・子育て」が後段に押しやられているのが、象徴的です。
「ともに生きる社会」に関わっては、やまゆり園を除けば、相変わらず「啓発」にとどまっています。
保健・医療・福祉人財の確保に関わっては、労働環境の改善抜きに、退職を控えた人(アクティブシニア層などと言う都合のいい言葉を使っています!)の誘導、介護福祉士への外国人留学生受け入れ促進を謳っています。
教育に関わっては、スクールカウンセラーの増員がうたわれていますが、何より必要な教員増には相変わらず踏み出しません。また県立高校改革の推進がうたわれ、「改革」への反省が全くありません。全日制高校への進学率の低さや中退者の多さ、県立高校受験生の戸惑いなどにもっと意を払うべきです。
県民生活がほんの数行で、しかもオリンピック・パラリンピックにしか触れていないのにも驚きました。どこに県民がいるんだろうと思いました。さすが、「県民局」を潰した知事です!
●知事の説明は、もちろん予算の全てを説明するものではありません。でもだからこそ、知事の姿勢が端的に表れます。この知事の下で、どれだけ県民の暮らしがよそに追いやられ、県政が歪められてきたかを、改めて思います。
この悔しさを力にして、4月7日を迎えます。(2019.2.13)