●「社会を明るくする運動」というのがあります。法務省が7月を強調月間として全国的に取り組まれています。
第68回中原区大会は「犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ」とテーマを設けています。
防止とともに、更生について理解を深め、犯罪や非行のない明るい社会を目指すというものです。
●私は初めての参加でした。昨年は参加を予定しながら、委員会日程が急遽入り、参加できなかったことを記憶しています。
更生という点では、職業安定所在職の頃も、刑を終えた人たちの雇用が課題であったことを思い出します。経過を承知して受け入れる事業所というのは多くはありません。
でも、就業できなければ、生きていくことができません。再犯にもつながりかねません。ですから、このような啓発の場と共に、具体的な作業に基づく住まいや雇用の場の確保が必要です。
これらに加えて、大会宣言には、「非行少年等が学びを継続できる環境をつくること」も掲げられています。
●大会では、標語入選中学生の表彰も行われました。優秀作品と優良作品がそれぞれ10作品紹介されました。
これらの標語と繰り返されるいじめのギャップについて、考えざるを得ませんでした。
「挨拶」「励まし」「声かけ」「優しさ」などの大切さが、多くの作品で強調されていました。これらの言葉が現実の生活に生きる社会にしていかなければと思います。
●私が驚いたのは、内閣総理大臣メッセージが紹介されたことです。きっと毎年行われたていることなのでしょうが、この大会に最もふさわしくない事の一つではないかと思いました。
首相に明るい社会を語る資格はありません。憲法違反、国会軽視、国民無視、ウソ、責任転嫁、行政私物化等々を繰り返し、どれ程社会を荒廃させてきた事でしょうか。首相メッセージがこの大会に登場する? 私はひっくり返りそうになるほど違和感と嫌悪感を覚えました。
この大会の取り組みが穢(けが)されているような気さえしました。
本来ならば、無害なものとしておさまるはずの大臣メッセージに対して、このような感想を持たざるを得ないのがこの国の不幸です。この国はここまで政治劣化が進んでしまったのです。(2018.7.19)