●緊急宣伝を設けながら、宣伝の度に必ず語っているのは、議員定数削の問題点です。言いたいことがいっぱいあります。
①維新が以前「身を切る改革」として「議員定数削減」を言った時、私がとっさに思ったのは「議席は政治家のわが身じゃないでしょ」ということ。「議席」は、国民の声を政治に反映させる場です。だから「議席」を「わが身」という維新に大いに違和感を覚え「切られるのは、政治家のわが身ではなく民意だよ」と思ったものです。
②「不真面目な政治家はいらない、だから減らしていいんじゃない」という人が多いですよね。でも議席を半分に減らしたとして不真面目な人がいなくなる保障はありません。狭き門となった国会の議席には、むしろ多数派である自民党がすっぽり残り、少数政党がはじき出されます。結果的に自民党のやりたい放題が加速します。
だから、「不真面目な議員は議員定数の削減ではなく、選挙で落とすしかありません」と度々訴えています。
③そもそも、日本の国会議員数はOECD38か国の中で36位。1位のアイスランドは、人口100万人当たりの議員数176.5人、36位の日本は5.6人。こんなに少ないのに、なぜ突如根拠も示さず減らさなければいけないのでしょうか?
④国会に自民と維新で提案したこの法案には、法案の「目的」も、一割削減の「根拠」も示されていませんでした。これではこの法の必要性が語られていないことになります。これらを示せない稚拙な法律案でありながら、こんな条項も「えらそー」にあるのです。削減が一年以内に決まらない場合は、自動的に45削減という自動削減条項を盛り込んでいます。
読売新聞は、「与野党で改革案がまとまらなければ、問答無用で衆議院の定数を削減するという。こんな乱暴な法案を、政権を担っている与党が提出するとは見識を疑いたくなる」と至極まともな論評をしています。「法案に問題があるとわかっていながら、連立維持を優先する(この提案をしなければ維新が離脱するのではないかという不安要素あり)とは自民党もふがいがない」とも。
⑤本当に身を切りたいのなら、やっぱり政党助成金をやめることですね。議席を45減らしたとしても、財政的な削減は約40億円。これに比べて政党助成金費用は毎年約315億円、削減効果はこちらの方がはるかに大きいのです。
更に政党助成金は共産党がかねてから批判しているように、国民全員が支持していない政党に強制的にカンパをさせられるという仕組み―思想信条の自由を侵します。
日頃から不思議に思っていますが、政党助成金については有権者の皆さんが甘いように思いまいます。なぜでしょうか。
●以上の問題山盛り定数削減法案は、成立どころか審議入りさえできずに、17日の臨時国会会期末を迎えました。この結果は本当に良かったと思います。(2025.12.14)
フラワーデモなどが作り出した変化 |君嶋ちか子|神...


