●今年最後のフラワーデモ、時間のやりくりをして、参加することができホッとしました。これまではサイレントスタンディングでしたが、この日は数人がマイクを握り静かに訴えました。私はフラワーデモが行われて以降の性暴力をめぐる問題の変化について話しました。
●フラワーデモは2019年4月に東京で始まり、川崎フラワーデモは2021年3月から始まりました。毎月11日に行っています。
フラワーデモが後押しをしたこともあり、2023年7月には不同意性交罪(刑法177条)が成立しました。従来は「強制性交等罪」の名称で罪の成立には「暴行または脅迫」が必要要件となっていましたが、この改正により相手の同意がない状態で行った性行為は、犯罪が成立することとなりました。
●自衛隊内で性暴力の被害に遭った五ノ井里奈さんが実名で、3人の自衛隊員を告発し、裁判にも訴えた結果、2023年12月には3人に有罪判決が出ました。
伊藤詩織さんも、元TBS記者の山口敬之氏に2015年4月レイプされたとして損害賠償を求め裁判を提訴。2022年、最高裁が上告を退けたことにより東京高裁判決が確定し、元記者が同意なく性行為に及んだと認定されました。
性被害者が声をあげられないことが多かった中で、裁判に訴え性暴力が認定されるようになった―この間の大きな変化です。
ジャニーズ問題、中居問題も明るみに出るようになりました。
被害を訴えられるということは、性にかかる問題にとどまらず、人間が大事にされる社会への大きな一歩だと思います。
●後藤川崎市議は受験当日をねらった卑劣な痴漢行為をなくしていくために市議会で質問を重ねています。この日は受験時の制服着用は義務ではないという答弁を引き出したことを報告。受験生は受験を控え時間的余裕がないので痴漢行為に対し抗議し辛いということから、標的になることが多かったのです。
痴漢行為の被害により試験開始に間に合わなかった場合は、受験の機会を確保するという答弁も既に引き出しています。
●痴漢の問題は、国会・都議会・神奈川県議会でも取り上げていますが、警察や鉄道会社・自治体とも連携し、実態調査や痴漢行為を許さない取り組みも進んでいます。この数年で「痴漢は犯罪」「痴漢は性暴力」という認識も広がっています。
これからの大きな課題は包括的性教育の充実ですね。被害者はもちろん加害者を出さないためには、人間の尊厳を根底に据え、人間を大事にできる社会にすることです。(2025.12.11)



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