●「西加瀬巨大物流倉庫を考える住民の会」は、昭島市の市民運動と連帯する住民集会を開催しました。
来ていただいたのは田所良平弁護士。田所さんは、住民運動の先頭に立ち、住民の声を反映させるために2024年10月の昭島市長選挙にも立候補した方。15,237票を獲得し、現職市長に4,880票差に迫りました。
●昭島市の直面する問題は、ゴルフ場跡地(58.8ha)に日本GLP(株)が巨大物流倉庫3棟とデータセンター8棟を計画していることです。
交通量の激増による騒音や大気汚染、樹木伐採(4,800本のうち3,000本伐採の計画!)や国内最大のデータセンターによる大量の電力消費が自然環境の破壊を引き起こすことに住民は反対しています。
これまで、住民監査請求を行っていますが、「住民監査請求としては不適法」として棄却され、現在は公害紛争調停の申し立て中です。
●「公害紛争調停」は、七大公害(大気汚染・水質汚濁・土壌汚染・騒音・振動・地盤沈下・悪臭)を対象とし、学識経験者らで構成する委員が当事者間に協議の場を提供する制度です。当事者間の合意には民法上の和解契約と同じ効力がありますが、裁判所のように措置を命令することはできません。
調停では現在、必要な調査・評価とともに、公害防止のための計画の見直し・誠実な協議・協議成立まで着工しないことを求めています。
●一方「西加瀬プロジェクト」も、巨大物流倉庫ができた場合を分かり易く可視化させながら参加者に紹介。
2020年に住民の会を発足させ、それ以来粘り強い取り組みを進めてきました。
6回に及ぶ住民集会、学習交流集会を開催、2022年9月からは毎週日曜日、元住吉駅での宣伝行動に取り組み、2024年には「生の声アンケート」に取り組みました。回答は256件、うち西加瀬プロジェクトに「賛成」は5件、「反対」が242件、この結果は川崎市とダイワハウスに送るとともに記者会見も行いました。
この間に市や議会、ダイワハウスに対する要請・協議など、旺盛に活動を繰り広げています。
●このような取り組みの結果、2024年10月には解体工事が完了していますが、まだ着工には至っていません。住民の会との約束で、「住民が納得する回答を出すまでは建設工事に着手しない」という旨を議事録に明記させました。
この後の展開は予断を許しませんが、ここまで事態を追い込んでいるのは素晴らしいことだと思います。
●昭島の取り組みは、新たな視点にも気づかされましたし、運動を楽しみながらやるという空気も感じられます。(「くじら調停団」というんですよ。公害紛争調停団のことを。名前の由来は聞きそびれましたが)
西加瀬にはないデータセンターの存在は気がかりです。大量の電力消費が懸念されていますが、これは地域の問題だけではなく全国的な大きな課題となるでしょう。
西加瀬の頑張りも改めて実感しました。
両者の連携のもとに、住民運動の可能性をさらに広げていきたいものです。(2025.3.9)