君嶋ちか子

きみしま 千佳子
神奈川18区から政治を変える
働く場と学ぶ場に希望を!
神奈川18区女性・雇用相談室長前神奈川県議会議員
活動日誌

等々力緑地を儲けの場に変えてしまう無残 |君嶋ちか子|神奈川18区|前県議会議員

2025年2月22日

●再びPFIについて学びました。

川崎市はPFI方式(プライベイト・ファイナンス・イニシアティブ)を用いて川崎等々力パーク株式会社に、緑地の再編・管理・運営を任せました。その結果、樹木が870本以上伐採され、自由に使える広場も縮小されようとしています。等々力緑地を危機に陥らせているPFIとはいったい何なのか。

講師は中川勝之弁護士。

PFI法(民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律)=施設・道路・鉄道・水道等の大規模な建設事業を企画から建設・運用まで民間にゆだねるもの

主な問題点は

 ①自治体の関与と住民の立場の後退

 ②自治体と大企業との癒着のおそれ(長期間契約の莫大な利益)

 ③事故等の損失の負担

 ④経費負担増大のおそれ

▼都市公園の現況

*全国都市公園等の整備量(2022年度末)=11万4707か所・約13万05311ha

 1人当たり面積=約10.8㎡/人

*国土交通省「一人当たり都市公園等面積については、諸外国の都市と比較するとまだ低い水準にあります。ひき続き、防災や地域の活性化等の社会的要請に応えるため、都市公園等の整備を推進するとともに、ストックの有効活用、施設の長命化、効率的な維持管理が図られるよう支援を行っていきます」

 神奈川県1人当たり面積=約7.9㎡/人

 川崎市1人当たり面積=約4.0㎡/人

都市公園法(1956年)

第1条:この法律は都市公園の設置及び管理に関する基準等を定めて、都市公園の健全な発達を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。

▼2016年国土交通省設置「新たな時代の都市マネジメントに対応した都市公園等の在り方検討会」の最終報告書

<新たなステージへの移行に向けて重視すべき観点>

 ①ストック(資産)効果をより高める

 ②民との連携を加速する

 ③都市公園を一層柔軟に使いこなす

国交省資料の解説

 ①ストック効果をより高める ⇒ 公園管理者も資産運用を考える時代へ!

 ②民との連携を加速する ⇒ 民がつくる、民に任せる公園があってもいい!

 ③都市公園を一層柔軟に使いこなす ⇒ 公園のポテンシャルを柔軟な発想で引き出す!

2017年都市公園法改正の狙い

*民間に儲けさせ、整備・回収の費用を賄う

*儲けるためには施設建設、そこにお金を落としてもらう ⇒ 設置管理許可制度に加え、公募設置管理制度創設

▼国交省「改正のポイント」

*「都市公園内の優良な事業機会をいかに獲得し、魅力ある投資を行うか」

*「民間のビジネスチャンスの拡大と都市公園の魅力向上両立させる工夫を」

2022年国土交通省設置「都市公園の柔軟な管理運営のあり方に関する検討会」提言

<使われ活きる公園の実現に向けては、3つの変革が求められる>

 ①都市アセット(資産)としての利活用

 ②画一からの脱却

 ③多様なステークホルダー(利害関係者)の参画

【企業が利益を得る場所とチャンスをどん欲に狙い、それに伴い法改正などが着々と行われていくさまがよく解ります。市民・人間の生活にとって好ましい在り方という視点はゼロのまま、儲けの餌食となって法が変質していきます】

 

 

公募設置者管理制度(都市公園法Park-PFI)問題点

*地方公共団体がPark-PFIにより公園内に民間施設を設置する際には、事業者の公募方法・選定・施設面積・管理範囲等、地方公共団体と事業者の「協定」で定められ、議会の議決事項にならず、地域住民の意見等が反映される制度的保障はない。

*公園内建ぺい率はあくまでも参酌(さんしゃく)規定。結果として樹木の伐採やオープンスペースの狭小化を招く。

*人集めのための駐車場増設が各地で問題となっている。

*情報開示の制限・公園私物化・癒着等の懸念。

▼指定管理者制度や管理協定などにより民営化された大阪城公園・天王寺公園に対する市民意見

*多くの桜が伐採され残念 *これ以上緑を減らさないで *観光化・商業化され残念 *イベントに伴う騒音が大きい *憩いの場から喧騒の場へ *光と騒音の被害甚大 *無料遊具は修理せず、有料遊具を設置

【私たちが等々力緑地の再編で危惧していることが、やはり現実のものとなっています!】

●この後、等々力緑地内を歩きました。

テニスコート脇のヒマラヤ杉
北側道路脇の樹木

立体駐車場建設のために伐採されてしまうテニスコート脇の銀杏並木やヒマラヤスギ、野球場とテニスコートの間の広場は多くの親子ずれでにぎわっていますが、ここにスーパー銭湯、桜が見事だった催し物広場は、商業施設と立体駐車場(桜は伐採)、釣り池に沿った長い藤棚も伐採しレストランを建設(お金を出さなければ池がみえない)等々、あまりにも無残。

最後に歩いた北端の4m道路、9m道路に広げるために味わいある長い並木や雑木林も伐ってしまう・・・もう本当に泣きたい気分でした。イヤ、泣くだけでは済まさないゾ。 (2025.2.16)

新着記事

  • 過去の記事

  • facebook
PAGE TOP