君嶋ちか子

きみしま 千佳子
神奈川18区から政治を変える
働く場と学ぶ場に希望を!
神奈川18区女性・雇用相談室長前神奈川県議会議員
活動日誌

道理が通用しない組織 |君嶋ちか子|神奈川18区|前県議会議員

2025年2月19日

「黒岩県知事の人権侵害を無かったことにできない女性たちの会」は、武井由起子弁護士を招いて「自衛隊における性暴力について」学びました。

▼自衛隊未充足対策の強化(自衛隊の現状を把握する一側面として)

・採用年齢の引き上げ(26歳→32歳 予備自衛官37歳未満→55歳未満 即応予備自衛官32歳未満→50歳未満)

・女性自衛官を増やす(現在9%、アメリカは15%)

・一般人を即応予備自衛官に

・任期付自衛官が大学進学の際には、予備役への登録を条件に学費補助

自衛隊法40条を盾に退職を認めない

・性的な募集ポスター

自衛官の人権弁護団・全国ネットワークが2023年に「自衛隊のハラスメント被害と組織の対応に関するアンケート」を実施。

<対象> ハラスメント被害に遭った自衛隊員等(自衛官 元自衛官 防衛省事務官・技官 防衛大学校の学生・教官 当事者の家族・友人・知人)

<回答者> 男性90名 女性20名

<被害当時年齢> 10代3名・20代28名・30代29名・40代33名・50代14名

<ハラスメント類型> パワハラ81% セクハラ9% マタハラ2% 不明8%

<相談結果> 調査を求めた65件の内、処分されたのは2名のみ

調査を求めたが調査が行われなかったのが22件!

逆に、通報者(相談者)の61%が不利益を強いられる(不当な配置転換、上司から嫌がらせ、職場から無視などの嫌がらせ、承認が遅れる 退職強要 減給など)

まさに、「ハラスメントを肯定する文化」及び「声をあげるものを罰する文化」です。信じがたい荒廃。

▼目下の「現役自衛官セクハラ訴訟」はどうか。

<2010年>原告入隊。Aからセクハラ発言。

<2013年>原告の交際相手まで対象にしたAのセクハラ発言が続き、班長・Aの班長・セクハラ相談員にも報告。

<2014年>原告に対する厄介者扱いが続き、不眠悪化。同僚のあたりも強くなりパワハラも発生、希望し異動。

<2016年>セクハラ認定を求めてAを提訴。法務班がAをサポート.同僚15人が「セクハラはなかった」とする陳述書を提出。

<2017年>Aのセクハラをおおむね認めた一審、Aは控訴するも控訴棄却。

<2018年>原告3曹に昇進(同期で最も遅い)

<2019年>Aに戒告処分、その後退職。原告も裁判で組織文書提出をもって「情報流出」の容疑で警務隊に告発される。結果起訴猶予。

<2022年>原告は「個人情報及び行政文書を弁護士に提出した結果、何人でも閲覧できる状態にした」として訓戒を受ける。

一方で、原告が隠ぺいやパワハラで申し立てをした20名は、全員が不処分。

<2023年>特別防衛観察に申し出。空幕より調査終了の連絡。提訴。

▼自衛隊では、全く道理が通らないことに頭がクラクラしてきました。信じられない事態ですが、アンケートによっても、武井弁護士が関わる事件によってもそのことが実証されています。

自衛隊の中で不正を告発することがどれほど困難なのかを思い知らされます。これはセクハラや性暴力に限らない話だと思いますから、どれだけの犠牲が積み重なっていることかと。

軍隊とジェンダーという視点で武井さんが引用していた一部を紹介します。「性暴力が憎悪を煽り立てる重要なピースとして機能している」(佐藤文香)

この点はまだ根拠や背景を確かめなければなりませんが、自衛隊の闇の深さとともに軍隊における暴力には通底するものがあるのかもしれません。(2025.2.13)

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