君嶋ちか子

きみしま 千佳子
神奈川18区から政治を変える
働く場と学ぶ場に希望を!
神奈川18区女性・雇用相談室長前神奈川県議会議員
活動日誌

市民から憩いの場を奪い、800本以上の樹木を伐採する愚 |君嶋ちか子|神奈川18区|前県議会議員

2024年10月2日

🔶「公園・緑地の木はなぜ切られるのか」と題する学習会に参加しました。講師は尾林芳匡弁護士。「川崎民主市政をつくる中原区の会」主催です。

●1999年のPFI法「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」以降、自治体民営化がすさまじい勢いで進められています。

PFI (Private Finance Initiative)とは「民間の施設やノウハウにより公共施設の建設と調達を行う」として、施設・道路・鉄道・水道などの大規模な建設事業を企画から建設・運用まで民間にゆだねる方法です。

ちなみに「サウンディング調査」とは、事業発案段階や事業化段階において、事業内容や事業スキームについて民間事業者の意見や新たな提案の把握を行う手法です。

  

●PFIの問題点

①財政難の下でも施設建設推進

②自治体の関与と住民の立場の後退

③自治体と大企業の癒着のおそれ(長期間契約・莫大な利益)

④事故等の際の損失の自治体負担

⑤結局は経費負担増大

これらの結果、契約解除や破産は多数、訴訟も

●増加の鈍化に対し、増加策として法改正が相次ぐ

<2011年法改正>対象施設の拡大(例えば公営住宅に止まらない営利を目的とした高家賃の賃貸住宅、下水道・鉄道・都市公園・鉄道・公安施設とうにまで拡大。公務員等の派遣まで。

<2013年法改正>合築型・併設型などを可能とし、公的不動産の有効活用を可能とした。

公共施設の「適正配置」

<2015年法改正>公務員退職派遣制度

●公共サービス「産業化」の柱として

①総務省が地方行政改革の一環として公共施設の統廃合を推進

②政府骨太方針「インフラの老朽化が進む中、『新しく作ること』から『賢く使うこと』への重点化が課題」

* 社会教育施設としての体育館などが老朽化し建て替えが必要となった場合など大規模なアリーナを建設。プロスポーツや芸能人などのイベントで集客。

* イベント優先で住民の日常利用や憩いの場が減らされる。

* 大規模アリーナの維持費・運営費は後々まで地方自治体の大きな負担となる。

●自治体としての工夫の実例

鳥取県はPFI導入に当たって県内事業者参画に向けた配慮方針を策定

①県内事業者のノウハウに向けた支援

②県内事業者を含めた構成とすること、本店の県内設置を公募条件とすること

③発注は原則県内事業者

④事業所選定における地域産業振興に対する評価

●2021年会計検査院PFI報告書

* 選定時期の金利情勢が割引率に十分に反映されておらず高めに設定され、PFI方式の経済的優位性が高く評価されていた可能性

* 競争効果の繁栄の有無の点で算定条件が不一致

* 同種の債務不履行が繰り返し発生

* 財務状況の悪化

* 公共施設を十分に利用できない状態が継続 などの問題点を指摘

●PFIを止める例が相次ぐ

* 茨城県石岡市:複合文化施設調査費予算案を市議会否決

* 香川県観音寺市:新学校給食センター債務負担行為を否決

* 富山県「武道館PFI導入『困難』」(北日本新聞230616)

  

🔶このような問題大有りのPFI(学習会内容はまだまだ続くのですが)、国の公を形骸化させる方針も罪深いのですが、豊かな財政力を持つ川崎市がこの動きに乗っかり、等々力緑地を潰しにかかっているのが、情けなく悔しく・・・。

川崎市は2023年4月、等々力緑地の管理・運営を等々力パーク(株)と協定を結び、公園の再編整備事業を632億円で委ねました。

これに伴う主な事業は、陸上競技場を球技専用の競技場に大幅改築、等々力アリーナスポーツセンターの新設、補助競技場を陸上競技場に改築、18か所に及ぶ「自由提案施設」と称する飲食店や物販施設の新設、3層の立体駐車場建設などです。

🔶既に700本余りが伐られていますが、新たにこれらの建設のために790本~870本の樹木が伐採されます。また市民が無料で使っていた広場などが縮小されます。市民が気軽に使える公園ではなく、お金を払うイベント優先の公園になってしまいます。

🔶これに対して「等々力緑地を守る会」が結成されました。

学習会を終えてから、会の皆さんとともに、公園内を回りました。

   

現在テニスコートの脇にあるイチョウやヒマラヤスギ、子ども遊具広場のシダレ桜・フジ、四季の森の半分、ふるさとの森の3分の1、新陸上競技場建設予定地のメタセコイアやクスノキ、釣り池周辺のフジ・ヒマラヤスギ等の伐採される樹木の見事な事。

  

異常気象が続く中、時代逆行の儲け主義を横行させ、市民の憩いの場を奪う国と川崎市、怒りと悲しみは募るばかりです。

会は、伐採を最小限に止める陳情署名に取り組んでいます。(2024.9.23)

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