●「西加瀬巨大物流倉庫を考える住民の会」の住民集会がありました。
最近取り組んだ住民アンケートは、約1000通の配布をし、回収は211枚。
*<賛否を問う>賛成は4・反対198・どちらともいえない9、という具合。
*<跡地に望むもの>防災公園189・公園広場132・緑地131・市民ミュージアム120、等々
<賛成の方はどんな理由を挙げているか>
*町というのは変化を繰り返すものです。反対するのではなく共存を考えていきたい。
*反対する理由がわからない。何でも反対するな。
*5年以上も前からわかっていたものを今更反対なんて言い出すのは意味が分からない。
*モノが動けば雇用も増えるでしょう。何もないよりいいでしょう。
つい「共存できないものもあります」「皆さん様々に切実な理由を挙げています。何でも反対ではなく切実な不安要素があるから反対しています」「今更ではなく、数年前から反対しているのです」「多少の雇用と引き換えにできないぐらい、住環境が脅かされています」等と言いたくなってしまいます。
●198名の方の反対の理由は、それぞれ客観的な事情を指摘していて頷けるものばかりでした。
*私は、長い時間が経ってもあきらめずに声をあげる人たちに敬意を表したいと思います。そしてともに取り組みたいと思います。
*自分たちをめぐる環境は(住環境に限らず)、放っておいて誰かが整備してくれるものではありませんし、逆にいつ何が襲ってくるかわかりません。他人事ではありません。
●住民が声をあげることは民主主義のイロハではないかと思います。
最近では国立のマンションの例が印象的です。2021年に発表されたマンション建設計画に対し、住民は階数の削減を求めていました。理由は富士山の眺望に影響を与えるとのことです。11階建てから10階建てに変更したまま2023年に建設開始となりましたが、2024年7月には解体工事が始まりました。建築基準法には抵触しないものの国立市には都市景観条例があります。この条例は、ア]高さは街並みとしての連続性、共通性を持たせ、周囲の建築物との調和を図る。イ]地域の特性に応じた高さとする。ウ]周囲の自然景観を妨げない高さにする。としています。
完成し、引き渡し直前だった今回の積水ハウスの金銭的損失は、約12億6000万円と言われます。景観保護の重要性を認識させることとなりました。
●このような例は非常にまれだと思いますが、それだけに、「アーこんなこともできるんだ」という希望にも繋がります。
企業が短期的な採算性だけで動くとは限らない例は、多摩川対岸のキャノン本社「下丸子の森」にも。本社屋建設に当たって周囲に与える負荷を考慮して広大な森(緑地面積約3万㎡)をつくりました。1000本近い木々により生物多様性が保たれています。
夢は膨らみます。(2024.8.3)