●川崎には市民の誇りとでもいうべき財産が多くあります。例えば教育を問い続ける「未来集会」、原発を一日でも早くなくしたいと3.11を記して始まった「原発ゼロへのカウントダウンinかわさき集会」等々。
その一つである「平和をきずく市民のつどい」がコロナを経て、復活しました。
このつどいは、今年で41年目を迎えます。始まりは1982年、川崎市が「核兵器廃絶平和都市宣言」をした6月8日の宣言日を記念して始められました。
●平和館の外で行われる様々な団体の出店、これも貴重な交流の場でしたし、館内の舞台と市内諸団体の取り組み伝える展示、どれもこれも楽しく貴重でした。
今回私は、午後の時間しか確保できなかったので、「戦争ではなく平和の準備を」と題する青井未帆さんの講演のみの参加となりました。印象的だったお話は以下の通り。
●「もはや安保政策論が憲法論とならない」「内閣限りの文書で憲法を実質的に改訂」と青井さん。
私も度々この異常を指摘してきました。
安倍政権が「憲法変えよう」とあの手この手を用いていたのは、今となっては条件整備を試みるという点でまともでした。現憲法下では、戦争する国づくりが矛盾すると自覚していたからこそ憲法を変えるために躍起になっていたのですから。
それに対し岸田政権は「憲法変えなくたって、俺たち多数派が具体的行動で強行突破すれば、なんだってできちゃうよ」といわんばかりに、閣議決定で「安保三文書」を公然化しました。そして今、国民の声を蹴散らしながら、その裏付けとなる法律を強行成立させています。まさに亡国の政権だと思います。
●青井さんはこの事態に対し、「憲法に照らしておかしい」は、常に掲げようと。そして、憲法に基づく重層的な抑制均衡を図ること、それを担うのが、国会、司法、地方自治体であると。
9条が謳う意義を使えることは、私たちの武器とも。
例えば、「憲法9条があるから自衛隊は他国の軍隊とは違う装いとなっている」という点。自衛隊の役割は抑制的、その中で可能なことのみ列挙する方式を用いていると。このお話聞きながら、日本国憲法制定後の76年間は、自衛隊に制約を課すことと同様に、日本の政治・文化・外交に財産をつくってきたのだろうなと思いました。
直近では、ウクライナ戦争に支援を訴えるゼレンスキー大統領も、日本に対しては武器の提供を求めなかったなあと思い返しました。この時、憲法9条は世界に認知されていることを心強く思ったものです。
●76年間の日本国憲法の下での歩み、核兵器廃絶平和都市宣言後の川崎市民の歩み、この力を発揮させながら、政権の凶暴な企てを挫かなければなりません。
「われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」(日本国憲法前文)。
憲法を実践する政権が生まれたら、どんなにか日本と世界の未来は輝くでしょう! (2023.6.4)