●6月3日・4日と横浜で、第31回全国非正規交流集会が開かれました。私は3日の全体会のみ参加することができました。
●全体会は、「多様な働き方の実態」と名付けたシンポジウム。パネラーとして、学校用務に従事する非正規公務員、非正規の民間労働者、飲食店の短時間パート労働者、外国人労働支援者、フリーランスの方が登場しました。
いずれも、働き方で困難を抱える分野で、それぞれの実態と貴重な取り組みはありますが、やはりこれだけ対象が広がると、問題点を深めるという点では残念ながら・・・。
●シンポジウムというのは難しいなと改めて思いました。
同一の場で語るということは相互作用や補完作用があって、話し合いの中で深化があるというのがその醍醐味かと思いますが、この点では、今回に限らずシンポジウムで成功したという経験を私は殆どしていません。
シンポジストそれぞれの語りには興味深いものがあった場合でも、一堂に会したことの意味となると物足りないことが殆どでした。
今回も皆さんの奮闘ぶりには敬意を表しつつ、シンポジウムから新たな発見を得ることはなかったように思います。
●資料を見ると私の場合は、分科会に参加すべきだったなと。(日程的に分科会参加は無理でしたから、仕方がないことなのですが)
例えば、「世界で闘う労働者から何を学ぶか」という分科会。副題として、
1.世界の労働者は声をあげている
2.米国労働運動の高揚とその背景
3.組合員一人一人の力を引き出すために となっています。
1では、「ニューヨークの大病院でストライキ、看護師らが人手不足解消など訴える」「英看護師 史上最大10万人スト」「フランス全土で年金受給年齢の引き上げ案に抗議のデモストライキ」などの見出しが躍ります。
2では、「アマゾンの組織化」「スターバックスの組織化」「米国の青年の変化と組織化モデル」「米国の労働組合はどう変わり、再生しつつあるのか」等々ヒントがいっぱいありそうでした。
日本での成功例も。
「かがみ田苑労働組合(横須賀) ストライキ通告で不利益変更の全てを撤回」「名古屋市職員労働組合 保育士ら1カ月で組合員13人→53人 超過勤務時の時間単価の引き上げ」
結びには、「Democracy is power. =民主主義は力」「When we fight, we win. =たたかえば勝利する」の文字が輝いていました。
ここらをもっと学びたいなと思いました。
●またもう一つ別の視点からは、「非正規」をどうとらえるかの議論がもっとされるべきと思いました。
基調報告の内容を見ても、「ハラスメント的な非正規差別をなくす」、つまり差別をなくすとは言ってもいますが、非正規については言及していません。
私はもっと非正規自体を狭めていく必要があると思っています。経過的に非正規にならざるを得ない場合は別としても、何年も気が遠くなるような契約更新を繰り返す非正規雇用をなくしていかなければ、雇用の安定や仕事の充実は困難です。
非正規雇用の集会でこそ、このことがもっと論じられるべきだと思います。(2023.6.3)