●10月31日投票の市長選挙は、現職市長の勝利となりました。
この選挙通じて、現職市長の不誠実さは際立ちました。市民からの公開質問状8件に一切答えていないという事実を知らされ、市民軽視とモラルの崩壊を見る思いでした。
8年間の市政においても、市民の願いをはねのけ、大型工事に財政を投じ、コロナ対策は極めて不十分、という具合で市民を不安に陥れました。
そんな市政に対し、綿密な調査に基づいて、暮らし優先の川崎市に転換させると明快に打ち出した市古博一さんの政策。
市古さんのヒューマンな考え方、的確な判断力、抜群の行動力、そして市民本位の政策は、自治体のあるべき姿を明確に示し、私達をワクワクさせました。
全市を駆けまわる市長選挙において、政策を多くの有権者に届けることの困難を痛感しました。
市古さん、本当にお疲れ様でした。
●同日投票の衆議院選挙もつらい結果となりました。
▲神奈川10区でも、比例選挙でも畑野君枝議員を送り出すことができませんでした。共産党全体としても、比例で2議席を減らし公示前12議席から10議席となりました。得票数も前回440万票から416万票に減らし、得票率も7.90%から7.26%へ。
なぜ、共産党への投票が減っているかについては、リアルな議論と分析をしたいと思います。
共に闘った皆さん、ご支持いただいた皆さん、本当にありがとうございました。
▲野党共闘という点では、全国289の小選挙区のうち214の選挙区で野党共闘を成立させ、62選挙区で与党に競り勝ちました。いずれも接戦で、立憲民主党単独候補では議席に結び付かなかったと思います。
例えば、最も接戦だった新潟6区で、自民党候補者の惜敗率は実に99.86%、130票差で野党候補が勝ちました。また野党候補が80%以上の惜敗率で負けた選挙区は53選挙区、もう一歩食い込んでいれば、62選挙区プラス53選挙区勝利もあり得た接戦だったという事です。
この貴重なせり上がりもありましたが、同党は比例で票を減らし、早速野党共闘見直しの声も出始めています。
でも、野党で合意した共通政策は、「貧困と格差の是正」「地球環境を守る」「ジェンダー平等の社会」「権力の私物化を許さない」等々、多くの国民の切実な願いですが、自民党の政策では実現できないことばかりです。
国民の願い、命と暮らしを守る政治の実現のために、共闘の意義は揺るぎません。何より小選挙区という悪弊多い選挙制度の下では、野党共闘なしには構図を変えることができません。
▲自民党は公示前276議席からは減らしたものの、261議席という単独過半数を得ました。
安倍・菅政権の9年近くのウソと利権まみれの政治を経て、さらに自公政権の下で余儀なくされたコロナの苦しみを経て、これほどの信任を自民党に与えてしまう「民意」に愕然とします。
総裁選にジャックされたテレビを初めとしたマスコミ報道が続く中で、自民党への怒りや不信は、この一カ月で氷解したのでしょうか。
▲自民党261・公明党32・維新41、合わせて334議席は、大変危険な勢力となりました。改憲発議が可能となる3分の2は310議席。
選挙後、首相は改憲に積極的に取り組むと述べ、維新松井代表は「参院選と同時に、憲法改定の国民投票を行うべき」と。
憲法改定とともに、強権的な政治運営が予想されます。辺野古の新基地建設はさらに暴力的に、病床削減も容赦なく狙われるでしょう。インボイス制度の導入も図られています。
しのぎを削る闘いが続きます。(2021.11.3)