●23日は、2019年度関係補正予算および2020年度関係補正予算を審議する本会議が行われました。日本共産党県議団はこの議案に反対する立場で、今回は私が反対討論を行いました。
割と短いですから全文掲載します。ぜひご覧ください。
●直に見ていただくと共産党が考えていることわかっていただけると思います。
例えば171号議案など、駐車場有料化に反対しているのです。今、公的機関も次々駐車場有料化が進んでいます。でもこんなことで利用が狭められてはたまりません。これに倍するお金が、ほかの分野では無駄に使われているのですから。
誰でも使えるように保障すべきです。
●またとても残念に思うのは、第163号議案・第164号議案、知事・副知事・議員等の報酬値上げに、共産党と一人会派の方の反対を除き、他の会派は全て賛成していることです。反対の理由は、反対討論をお読みください。
●切実なのは、第177号のGIGAスクール構想。通産省の後押しで(この陰には企業?)全国に売り込みが推し進められています。討論で述べている危険性を私は指摘しました。
また、同じく177号で川崎市が進める羽田連絡道路の補助金も問題です。羽田に通じる道路はすでに4本あります。必要性はありません。
●残念にも不思議にも思うのは、報酬関係議案に一人会派が反対したのを除けば、共産党以外のすべての会派がすべての議案に賛成していることです。補正予算に限らず4年間全ての議案に賛成というのは、私にとっては、本当に不思議なことです。
2020年第一定例会反対討論(補正予算) 2020.3.23
私は日本共産党神奈川県議会議員団を代表し、知事から提案のありました2019年度関連議案のうち、定県第148号議案を初めとした7議案について、所管常任委員会の審査結果に反対する立場から討論を行います。
最初に、定県第148号議案「令和元年度神奈川県一般会計補正予算」、及び第175号議案・第178号議案についてですが、「建設事業における市町負担金」が予定されています。
これに関して従来指摘してきましたが、県は、国の直轄事業に関しては、県負担をやめるよう要望しながら、一方で県の事業においては、市町負担金を予算計上しています。
これについて、国に対する理屈と同様に、財政力が弱い市町村の負担を求めずに、事業主体である県が責任をもって事業を行うべきと考えますので、反対致します。
次に、定県第163号議案「知事・副知事の給与等に関する条例等の改正案」、並びに定県164号議案「県議会議員の報酬等に関わる条例改正案」ですが、知事・副知事及び議員については、一般の職員とは違い、既に社会通念に照らして充分な報酬を得ていると考えられますので、報酬等を上げる必要性は認められず、条例案に反対いたします。
続いて、定県第171号議案についてです。
これは、神奈川県警察運転免許センターにおける手数料等の徴収に関するものですが、ここでは駐車料金の有料化が予定されています。しかも近隣料金より高い設定となっています。車使用をけん制するという事情もあるのかもしれませんが、身体的事情等で車使用を余儀なくされる方もいる訳ですから、行政に求められる公平性を保つためにも、駐車場は無料あるいは安い料金で提供すべきと考え反対いたします。
次に、定県第177号議案「一般会計補正予算(第8号)」ですが、これについては第一に、道路関係国直轄事業負担金について反対です。
その理由として、本来、国直轄事業負担金は、国が自治体に負担を強いるもので廃止すべきと考えています。さらに、住民からの反対が根強い横浜湘南道路について、11億3300万円余の増額計上となっていますので、反対致します。
また第二に、GIGAスクール構想を前提とした県立学校におけるICT基盤の整備のための予算計上について反対です。
ICT基盤の整備自体は必要と考えていますが、GIGAスクール構想は、教師や授業を超えた空間があるとして「誰一人取り残さない最適化空間」をうたい文句に、経済産業省に後押しされた文科省が推し進めようとしています。
しかしながら、教育の切実な諸問題が、ICT環境だけで解決されるとは到底考えられません。ICT環境だけに特化した最適化は、教員増員、校舎の整備、特別支援学校の増設などの切実な現実の問題を後景に押しやるものです。さらに、ツールによって教育の在り方が変えられるという事態も生まれかねません。これは、現場を踏まえた本来の教育のあり方を歪めます。
第三に、京浜臨海部活性化推進費として増額されていますが、これは全て羽田連絡道路整備特別補助金です。羽田連絡道路については、使用できる他のルートが複数で確立されており、莫大な税を投じて、さらに道路を作る必要性は全く認められず、これまでも反対していますが、補正で増額されることに反対いたします。
これらの点から定県第177号議案に反対いたします。
以上、主な理由を述べ、定県第148号・第163号・第164号・第171号・第175号・第177号・第178号の各議案について、所管常任委員会における審査結果に反対する討論といたします。(2020.3.23)