●6日の厚生常任委員会で、ようやく共産党に質問が回ってきました。今回は日程が他の定例会より長く、質問時間がいつもの倍なので、嬉しい気分。
質問は以下の通り。
●加齢児の受け入れ
本会議で「できる限り調整する」とした知事の答弁を確実に進めるために、委員会でも取り上げました。
成人施設への移行を希望する場合、第一ステップは児童施設のケースワーカーなどと相談、必要に応じてケース会議を開き、支援の方向性を探り、体験利用などを行うとの事。不調の場合は、リストを共有し更に広い範囲で調整。
2015年から設けている市町村の担当者も含めた加齢児等移行調整会議を、今後より機能させ受け入れを進めるとの答弁がありました。
今後、グループホームも位置づけ、県内受け入れ体制を整えるとのことでした。
●民泊に関わる条例
住宅宿泊事業法に伴い、制限地域等を含めた条例を神奈川県も制定する予定です。制限区域を設ける事を希望する9市町村とのやり取りを重ねましたが、条例案を作る段階で、県が制限を認めたのは、箱根の別荘地域のみでした。県の主張は「住居専用地域であることのみを持って制限することは、法の趣旨に反する」というもの。
私は京都などで生じている民泊の急増による被害を挙げながら、観光の量的拡大にのみ目を奪われるなら、貴重な観光資源も失ってしまうこと、何より、そこで暮らす住民を守る視点が自治体には必要なことを強調。国のガイドラインや法成立時の付帯決議も援用しました。その結果、「合理的な理由が示されれば、住居専用地域という広いくくりでも制限を可とする」との答弁が。これはうれしい成果でした。
●神奈川リハからの支援要請
県立神奈川リハビリテーションセンターは、リハビリテーション事業団を指定管理者としていますが、指定管理料を減らされ続け、職員の給与削減とそれによる離職を余儀なくされています。
全国のリハビリをけん引してきた技術水準と職員の誇りや情熱が失われるのは、職員にとっても県民にとっても大きな損失という職員の声を紹介しました。
私達は度々指定管理料の引き上げを求めていましたが、今回、事業団が県に、5億円の貸し付けを要請するというかつてない事態となりました。
県は「指定管理料が足りなかったのではなく、今回の要請は今後の基盤をつくるためのもの」との説明。私は今までの経過を述べながら、県の説明の矛盾を指摘し、高度な専門性を必要とするリハビリテーション拠点を維持するためにも指定管理料の見直しは必至と質しました。
●指定管理施設の働き方
これも一般質問を引き継いだ質問です。津久井やまゆり園の事件後の特異な状態の中で、日中体制にしわ寄せが生じている、残業代が払われていないなどの声が寄せられています。
県はセルフチェック表の提出を求めているから適正だといいますが、組合もない職場で指定管理者のセルフチェックでは限界があります。私は社会保険労務士会が取り組んでいる労働条件審査制度の活用を提案していました。「参考にする」との答弁のその後の状況を質したところ、総務には伝えてあるとの答え。
●未病改善?
知事が固執する「未病」の取り組みとして、「子どもと高齢者が集う認知症未病改善」という妙な新規事業が。しかも企業やプロスポーツチームの力を活用するそうです。とにかく目新しいものをと、手当たり次第に新規事業をつくりだすのではなく、自治体に根づいた当たり前の事業を地道にやってほしいと私は言わないではいられませんでした。
また「高校生と高齢者の認知症バーチャル体験」も提案されています。これも「目新しいもの探し」の結果だと思います。忙しい高校生にその体験がどれほど有益かと思いましたし、より大きな問題点として、カリキュラムに行政が直接的に課題を持ち込むことは教育の自主性を阻害すると指摘し、この事業も見直しを求めました。
●介護優先原則の廃止を
共生型サービスと称して、介護と障がい者支援を一つの施設で行う制度がつくられます。それに伴う条例改正案がどっさり提案されています。65歳になった障害のある方は、介護サービスに移行させられ、一割負担が生じ、サービスも低下します。共生型サービスは、これを固定化させようとするものでもあります。
この原則の撤廃を国に求めること、当面の運用でこの回避を図ることを市町村に働きかけるよう求めました。(2018.3.6)