●神奈川県農業技術センターを訪問しました。
研究開発・普及指導・担い手育成を通じて産業として自立した「かながわ農業」を目指すことが目的とされています。
平塚市上吉沢(かみきっさわと読むそうです)にあります。
広い農場とその先になだらかな山や空が見える風景に、とても穏やかな気持ちになりました。解放感と安心感というか・・・人間にはこういう風景が必要だと思いました。
●【生産技術部】は神奈川特産品を作り出すこと、生産技術開発のための試験研究などを行っています。
▼特許をもっている梨や梅のジョイント仕立て法は、複数樹を接ぎ木で連結し、直線状の集合樹として栽培します。
この仕立て法により、接ぎ木部が養水分・同化物の連絡回路となり生育状態が均一化するとともに、栽培管理の簡易・効率化が図れるそうです。
▼サラダに使えるナス「サラダ紫」、首の部分も白い大根「湘白」、甘い俵型ミニトマト「湘南ポモロン」、ナシ「なつみず」、ウメ「虎子姫」等々、多くの特色ある品種が生み出されています。
県立ならではといえるのは、微妙な色の変化が楽しめるスイートピーの育成です。この品種は、いったん開発されてしまえば自家受粉が可能なので、採算性を考えると企業などでは手掛けられないそうです。
温室の中では、研究員の方が生き生きと愛情込めて仕事をしていました。
▼ICT活用の温室環境制御技術は、パソコンによる自動制御で最適環境を保っています。温室環境のモニタリングをとりながら、二酸化炭素を供給し、光合成を促進させています。暖房・ミストによる加湿もこのシステムで行っています。
●【生産環境部】は環境に優しい農害虫防除や施肥方法などの生産技術や品質評価技術などの試験研究を行っています。
ここで特筆すべきは、赤色防虫ネットです。ネットは農薬に依存せずに防虫できますが、目合いが大きいと虫を通し、小さ過ぎると通気性が悪くなり生育を阻害するそうです。
そこで研究員の方が、赤色ネットは、植物を虫の視界から遮る事を発見し、目合いを小さくしなくても防虫の役割果たす赤色ネットを開発しました。
●まだまだ紹介したいことはたくさんありましたが、神奈川県がこのような施設を直営で持ち、生産者の味方になっていることがとても頼もしく思えました。
ちなみに神奈川県は、農地面積全国45位であるにもかかわらず、収穫高は35位。山梨県の収穫高797億円に次ぐ収穫高781億円という健闘ぶり。
日本の食料自給率が下がり続ける中で、安全でおいしい農産物をつくることに貢献しています。益々頑張ってほしいなと心から応援したいと思います。
穏やかな表情で説明してくださる職員の方に、仕事をする喜びのようなものを感じました。(2017.5.9)