●分教室の状況を伺いたくて、県立みどり養護学校新栄分教室を訪問しました。
特別支援学校は年々入学希望者が増え、増設が必要です。そんな中で県は、県立高校の一部を特別支援学校分教室として使用する方法で、対応しています。現在県内には、20の県立分教室があります。
●この新栄分教室は設置から14年となります。一学年15人の3クラスで、新栄高校の5教室を使用しています。
教員は担任9名(3名×3)・室長・進路指導等3名・養護教諭の14人です。
応募資格は、○集団活動中心の学習が可能であること、○自力通学が可能であること です。
卒業生のおよそ3分の1が、一般企業への就職となっています。
昇降口は新栄高校とは別になっており、普段生徒同士が関わることはほとんどありませんが、新栄高校体育祭と新栄高校翌檜祭(あすなろさい)には参加しています。
●門には新栄高校の表示は当然として、みどり分教室の表示がないのが、気になりました。門をくぐると「みどり分教室生徒昇降口」の看板はありましたが。
職員室と保健室が一つの教室に併設されています。かろうじてロッカーで仕切られていますが、これでは保健室としての役割を果たすには、十分とは言えません。以前伺った別の分教室でも、同じ状態でした。
●応募資格については、分教室であるが故の制約だろうと思います。結果的に障害の重い方は、近くに分教室があっても通えず、遠距離通学を余儀なくされているという事です。
現場の先生は、限られた教員数での対応、校舎所有校への配慮や調整、本校との情報共有ややり取りなど、本来の教育以前のご苦労があると思います。
緊急対応としての分教室方式はやむを得ないとしても、これに頼ることなく、特別支援学校の増設が必要と改めて思いました。(2017.5.10)