厚生労働省主催ながら(?失礼)、テーマと講師が興味深く、参加しました。
企業の労務等担当等の方も多く参加していました。
●まず、NPO法人健康経営研究会理事長の岡田邦夫氏の講演で印象に残った点は、日本人の死因の表。
10歳~14歳では2位ですが、これを別とすると、10代~30代はすべて死因のトップは自殺であったこと。40代も自殺は2位です。なんという国でしょうか。
講師は度々判例を用い、企業の健康管理の責任を問います。「現在のストレスは問題となっている長時間だけが問題ではない。その質がかつてとは違う」という指摘も深く頷けます。
●「働き過ぎの労働者の疲れ、眠り、つらさをどのように考えるか」というテーマで話された大原記念労働科学研究所佐々木司氏のお話も興味深いものでした。
8時間睡眠と3.6時間睡眠を比較すると、3.6時間睡眠のケースでは、24時間通して、8時間睡眠のケースより交感神経活動が活発になっています。「これは疲れる訳だ」と納得。そうしなければ、通常の日中活動を保てないという事でしょう。
ついでに「だから、3時間しか眠らないで元気などという人は異常です」と。「あ、私のことだ。そうかやっぱり異常か」と思わされた次第。
睡眠時間の短さや、睡眠時間帯のずれ(夜勤等)の弊害が次々示されました。生活改めねば!と強く思いました。
●「被災者・家族の体験談」は、何度伺っても胸が痛み震えます。死に至る長時間労働を強いる企業は、必ずと言っていいほど、パワハラを伴います。そんな中で長時間労働から抜け出すことができずに、将(まさ)に死ぬほど苦しんでいます。
「辞めようといつも迷っていた。でも、他に安心して働けるところがないといいながら辞めずにいた。そして死を迎えた」という言葉も無念過ぎます。
グリーンデスプレイ事件、渡辺航太君のお母さんの言葉が忘れられません。「私は航太に会いたいです!」。入社以来長時間労働が6か月続き、最後は22時間の連続労働の挙句、帰宅途中のバイク事故で彼は、短い人生を閉じました。
●この働き方変えることなくして、日本社会の持続性はありません。(2016.11.1)