常任委員会が行われ、14日は質疑、17日は意見表明と陳情の了承を行いました。私は、①産業技術センターの独立行政法人化及び、統合問題 ②神奈川県企業誘致推進方策」を取り上げました。
① 産業技術センターは本会議でも取り上げましたが、この問題は施設問題にとどまらず、県の産業政策を左右するものと考えています。委員会では、公益財団法人神奈川科学技術アカデミー(KAST)との統合の矛盾を質しました。
県は両施設統合の根拠として「企業ニーズ等を踏まえた目的基礎研究のテーマ設定を行い、基礎研究から事業化まで一貫した支援を行い、既存産業の高度化や新規成長分野の育成を図る」との「ありかた有識者会議」の報告を用いています。
ここには大きな矛盾があります。私は大学所属の研究者に「目的基礎研究なる概念は成立するのか」と問いました。「通常その言葉は使われていない。殆どの場合、既に基礎研究といえない」との答えが返ってきました。「目的基礎研究から事業化という流れでは、基礎研究自体が矛盾を抱え、悪循環に陥る」とも述べました。
企業の技術支援にあたっている研究者にも聞きましたが、「基礎研究から事業化を目指す方法では、既存産業の高度化は不可能。既存産業の高度化を目指すには、既存産業のニーズに応えなければならない」と断言しています。
いずれの立場から見ても、この循環図は成り立ち難い、少なくとも「生産的ではない」という事が言えます。
選ばれた構成員による「報告」で「統合ありき」を推し進めるのではなく、真摯に現場の声に耳を傾けるべきでしょう。産業技術センターの多くの職員が、自らの身分にとどまらず、支援機関の在り方として危惧を抱き、統合や独法化に反対しているとのことです。
② 「神奈川県企業誘致推進方策」は、新方策について質しました。
企業誘致策として様々な優遇が行われていますが、新方策は、特区関連事業に重点を置くとしています。
特区関連事業は、既に国・県において補助金・税制などで優遇が図られています。これ以上の優遇は他の事業とのバランスを欠きますし、そもそも実効性を持つのか疑問です。企業立地は、市場・交通の利便性などにより決めるという調査もあります。
特区について、これ以上の優遇策を実施しないよう求めました。(2015.12.17)