君嶋ちか子

きみしま 千佳子
神奈川18区から政治を変える
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神奈川18区女性・雇用相談室長前神奈川県議会議員
活動日誌

医療体制整備もコロナ対応も不十分 |君嶋ちか子|神奈川県議会議員

2023年2月12日

民医連の要請行動に同席しました。課題は以下の二つ。

【第一に「不足する病床機能の確保と必要な人材確保を求める要請」】

●この課題は、私も質問で何度も取り上げています。

神奈川県は、人口10万人当たり病院施設数・病床数ともに全国47位(もちろん最下位)、医師数は全国39位、看護師数全国45位という状況です。

●ところがこの状況でさらに減らす計画が進行しています。

神奈川県は厚労省の「公立・公的医療機関再検証を要する医療機関名」の公表を受けて、その結果をまとめています。再検証対象となる10病院のうち6病院が2025年7月までに、病床数・病床機能を変更するとしています。

この計画によると、全体の病床数は2500床から2366床に、134床減少します。回復期病床は417床から684床に増加しますが、急性期病床は1686床から1461床に減少、慢性期病床も154床から138床に減少。

●とんでもありません! この全国最低の神奈川でこれ以上減らすことなどありえません。

神奈川県は、「第7次保健医療計画」(2018年度~2023年度)では2025年度に向け、「不足する病床機能の確保及び連携体制の構築・在宅医療の充実・それらを支える人材の確保及び養成」を盛り込んでいます。この行方はどうなっているのでしょう。

●要請事項は以下の通りです。

 「第8次保健医療計画」に必要な医療体制の整備、不足する病床機能の確保・要請を盛り込むこと。

 新型コロナ感染症など新興感染症などの医療供給体制を確保すること。

●これに対する回答は、

 第7次の推移をみている。3月をめどに出される国からの指針を見てから対応したい。

 働き手全体が減っている中で、医師だけ増やせるかという問題はある。

集約化が必要となっている。救急当番医制度も必要。

●二つともとても不十分です。

については、足りないことは明らかなのですから、今から跳ね返すために動くべきです。

については、ふざけた話です。明らかに不足している命を預かる仕事について、こんな言い訳が通用するわけがありません。

しかも、専門性確保のために時間も要する医師は他の職種とすぐに代替できるわけではありませんから、養成をはじめとした必要な体制確保の努力をすべきです。医師数を減らそうとしている国にも意見を挙げなければなりません。

【第二に「新型コロナ第8波から県民の命を守るための緊急要請(第二次)」】

●1月4日、神奈川県の新型コロナ感染者数は累計200万人を超えました。またコロナ専用の病床使用率は、昨年12月半ば以降80%前後で高止まりし、救急搬送困難事案も急増しています。

年末年始にかけては、高齢者施設のクラスターが2週関連続して過去最多を更新し、死亡者数は、1月13日過去最多の523人が確認されています。

このような中で、2類から5類に引き下げるという方針が示されています。

●以下の要望が示されました。

1 ワクチン接種率を引き上げること。

2 3月以降も高齢者施設等職員に対し、抗原検査キットを配布すること。

3 施設等から要請があれば、医療スタッフを速やかに派遣すること。

4 発熱外来実施の医療機関を拡充すること。

5 引き続き病床確保に努めること。

6 発熱外来等の医療機関・保険薬局に助成金を支給すること。

7 自宅療養者に対し、登録・相談・支援体制を引き続き確保すること。

8 2類から5類への引き下げについては、慎重な検討を政府に求めること。

●主な回答

1 ワクチンの山は越えた。

2 類下げになれば無料配布は困難。

3 Cキャットは継続する。

4 オンライン診療を併用する。

5 確保の必要はなくなる。

6 ?

7 経過措置は国としても考えている。

8 県で決めることはできない。いつかは普通の疾病になっていく。私権制限止めることを神奈川は歓迎。

●この課題についても不十分な回答が続きました。

「私権制限をしないために、5類引き下げが必要」との発言がありましたが、これも詭弁だと思います。感染予防のために私権の制限を余儀なくされる場合もあるというのが現状です。コロナの危険性が格段に除去されたわけでもないのに、私権制限解除を優先事項のように取り上げるのは、フェアな話ではありません。

特効薬がない、死亡率が高い、後遺症が深刻、どれをとってもインフルエンザと同じなどと言うことはできません。

また、5類になれば受け入れ医療機関が増えるというのも、現実的ではありません。別々の動線確保ができない医療機関は、容易に受け入れはできません。現在より受け入れが増えることは考えられません。

全体として、5類への引き下げに乗っかった安易な姿勢が目立ちました。このまま見過ごすことはできません。(2023.2.1)

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