●「JFEスチールの高炉休止に反対し職場を守る会」の宣伝行動に毎回参加しています。1月7日も川崎駅頭の宣伝に参加しました。
●JFEスチールは2020年3月、「2023年に京浜の高炉を休止する」と発表しました。
これは事実上の廃止です。廃止されれば、JFE従業員1270人と関連下請け労働者合わせて4000人の雇用が影響をうけます。
JFE従業員については転勤含め職場を提供するとしていましたが、下請けはそれもできません。
JFEの労働者有志・他の労働組合などで「JFEスチール京浜の高炉休止に反対し職場を守る会」が結成され、これまで国・県・川崎市・横浜市への要請や協議を行い、雇用と地域経済を守る取り組みを進めてきました。
私も「大企業には地域への責任がある。神奈川県もJFEに対し基盤整備のためにお金を投じてきた。自治体からも応分の責任を企業に求めるべき」と本会議で取り上げてきましたし、川崎市議会においても度々質問しています。
●2022年3月には、国・県・川崎市・横浜市などで「関係行政機関連携本部」が設置されました。これは県内においてはかつてなかったことです。「会」の旺盛な取り組みや議会での取り組みとともに、JFEの地域への影響力の大きさを示していると思います。
昨年7月には高炉休止に伴う「特別経営相談窓口」も設置されました。
●しかしながら、JFE従業員だけでも1200人以上の職場がなくなるにもかかわらず、配置転換の受け入れ枠は745名分しかありません。比較的希望者が多い千葉地区への配転希望者約340名に対し、やはり受け入れ枠は154名しかありません。
この枠にはいらなければ西日本への転勤先が示されますが、通えない地域への転勤は容易ではありません。家族介護や教育の関係などもあり、西日本への転勤を拒否し、退職の選択をする人も少なくありません。
となれば、転職のための支援が不可欠です。企業の都合で配転を求めるわけですから、当該労働者の要望は最大限尊重されるべきです。
JFEは、今から労働者が辞めてしまえば、業務運営に支障をきたすとして、再就職支援の早期の開始を渋っていますが、無くなる職場を抱えながらいたずらにその時期まで時間を過ごすわけにはいきません。早期の再就職支援が必須です。
●また、関係事業者への影響も甚大ですから、その雇用と営業も守られなければなりません。
「守る会」などが求め、川崎市は関係事業者へのアンケート調査を行いました。183件の送付で昨年11月までの回答が113件。
大きな問題の一つが、事情を知らない事業者が多いことです。「高炉休止の予定を聞いていない」が24.8%、「高炉休止は聞いているが自社の扱いを知らない」が19.5%、合わせて44.3%の事業者が、自社に降りかかる事態を知らないということです。
高炉休止を知っている事業者の中では、対応をどうするか「未定」「検討中」合わせて29.7%、「縮小・廃業」を考えているのが30.6%にのぼります。
その他に分類される記載は6.6%ですが、そのほとんどが「縮小・閉鎖」を考えています。
ここに未だ事情を知らないとする44.3%が加われば、この地域は大変なダメージを受けることになります。
●JFE本体の従業員の再就職支援とともに関連事業者の支援が急務です。またJFEの前身は日本鋼管でしたが、鋼管通などの地名が残るように「川崎の歴史そのもの」といわれる企業の撤退は、地域や商店街にとっても深刻です。
広大な跡地利用も次なる課題です。
休止を予定する9月が迫っています。(2023.1.7)