●12日の文教常任委員会では、15分内に収めるために、入試関係の質問に絞らざるを得ませんでした。やり取りを以下に。
●県立公立高等学校入学者選抜制度について
これまでの文教常任委員会での報告によると、①共通選抜において、学力検査・面接・特色検査を合わせた最大3日間の受験は負担が大きい ②実施期間が長期に及び、中学校・高等学校の学びに影響する ③評価・判定に用いる受験者の資質・能力の再整理が必要 とし「入学者選抜制度検討協議会」が設置されたこと、及びその検討状況が報告されています。
この協議会のまとめは、教育委員会で4月26日に決定されています。
(1)今回、この変更を検討するに至った契機は何でしょうか。
答;学習指導要領の改訂に伴い客観的な検討を可能とするため。
(2)これまでは、パブコメを行い、県議会の議論を経て、教育委員会で決定していたとのことですが、今回はなぜ、違いが生じているのでしょうか。
答;大きな変更を伴わなかった。
(3)これまでの変更に比べて、審議過程が明らかにされていない(HP公開が遅れた)という声がありますが、特別な事情があったのでしょうか。
また第2回の協議会議事録には、「本協議会は原則非公開」「議事録についても非公開」との記載があります。
これについては、なぜ非公開とされているのでしょうか。
答;議論が未成熟な段階で公開とはせずに意見のまとまりを見てから公開とした。
(4)第1回から第3回の協議会まで、それぞれ開催日と公開日を教えてください。
答;第一回2021.11.25、第二回2021.12,23、第三回2022.1.28に開催し、HP公開は2022年8月。
(5)令和3年度の検討協議会の議事録を読み、入学者選抜制度について、大きな改変が進行していると思いました。それは、「この学校で学びたい」という生徒を一定の基準により受け入れるという態度ではなく、高校の側が「アドミッション(スクール)ポリシー」なるものに基づいて「学校が欲しい人間を選ぶ」という構えに転換していることです。
県立高校は、義務教育ではないながら「うちの学校に合う人物あるいはほしい生徒」という選定を行うのではなく、公立高校として生徒の学びを保障する立場に立つべきです。
学校が生徒像によって選ぶという考え方は、来年度入学分から取り入れられたということですが、文部省の通知によると「高等学校に期待される社会的役割等」に基づく「入試に期待される生徒像を示す」とされています。これは誰がどのように決めるのでしょうか。
答;選別はふさわしくないと考えている。義務教育とは違い、高校選びをしてもらう。(でもやっていることは逆です)
(6)この入学選抜における大きな転換は、形式的な変化を伴うものではないとはいえ、より広く県民の意見を反映させるべき事柄と考えますが、見解を伺います。
答;学校がどんな教育をするのか、高等学校がわかりやすく示す必要がある。(ぜんぜん答えになっていません)
●なんとも締まらないやり取りになってしまいました。でも一つの問いで納得がいかないまでもかみ合う議論を求めていると、他の質問がまるでできなくなってしまいます。不十分な答弁を議事録に残しておくことが必要な場合もありますから、一つだけですべての時間を使うことはできないし…と、悩みつつ。 それにしても、今回のやり取りは何一つ納得のいくものがありません。矛盾を明らかにするのも一つの役割とはいえ、攻め不足。(2022.12.12)