●遅れ遅れのブログ、前回10日のお仕事トークを書いてしまいましたが、8日の県政ウオッチングも書き残しておきたく、8日に遡ります。
「平和で明るい神奈川県政をつくる会」の主催で県政ウォッチングが行われました。「再エネを活用した地域経済を体感」という呼びかけです。
●最初に訪れたのは「農家カフェSIESTA」。精力的に再生可能エネルギーと農業振興を実践している小山田大和さんが主宰する「小田原かなごてファーム」が運営するお店です。
ソーラーシェアリングによる発電を直接店舗に引き込んで使用。食材はもちろん地元農家から農薬不使用のものを。お昼寝ミカン、サトイモ、コメなどは自家製。調味料も極力化学調味料・保存料など不使用のものを。
「農地で作った農作物と電気を自家消費する仕組みを、全国に広げたい」という発信を具現化しているわけです。
●次に訪れたのがソーラーシェアリング3号機の現場。ここは、2018年の台風で倒壊し、その後2019年5月に再建されました。この経験など通して、固定価格買取制度に頼らない自家消費型のシステムを確立しました。
この場合は、農家カフェSIESTAに既存の送電線を使って送電しています。オフサイト型PPAの第一号です。金融機関からの融資第一号であるとも言います。
ソーラーシェアリングについては、再生可能エネルギーとともに、休耕地や耕作放棄地の再生という思いも詰まっています。地域活性化の農業振興、食料自給率の問題にまで広がります。
ソーラーパネルの下には既に刈り取りが終わった田圃が広がります。生産したお米は「推譲」というお酒に。
小山田さんの開拓者精神そのもののようなソーラーシェアリングです。
●次に、木質バイオマスボイラーにより温浴施設を運営している松田町に向かいました。
「バイオマス」とは、化石燃料を除く再生可能な有機性資源を指します。ここでは木材を活用しています。
松田町は町域の76%が森林。少子高齢化の影響もあり森林の管理が行き届かなくなり、台風による大きな被害も生み出しました。人口流出も激しいこの町にとっては、人口維持は死活問題です。
現在、資源の活用は健康福祉センターの温浴施設だけですが、今後は町内外での受け入れを増やし、森林の環境維持とともに雇用創出にもつなげていきたいと町の担当者は語ります。
持続可能な街を目指す取り組みが、活性化に繋がることを強く願っています。
●次が「未病バレー『ビオトピア』」です。
知事の趣味としか言いようのない「未病」にかこつけて「未病の戦略的エリア」とされているのが県西部。ここでは県・大井町・(株)ブルックスホールディングが協定により連携しています。第一生命所有であった巨大なビルをブルックスが買い取って、その周辺施設とともに「未病バレー『ビオトピア』」と名付けています。
その大きなビルには人影がなく、誰か使用しているのか?という状況。使用状況は県も把握していないとのこと。別棟のマルシェと称する食品などの売店とレストランも平日のせいか閑散としていました。
このマルシェの中に、県が間借りをし「me-byoエクスプラザ」を設置し、体力測定などをしています。
「未病」がそもそも空疎なことに加えて、知事に、神奈川県がここまで振り回され、同時に大井町・ブルックスなどの他者も巻き込み、地域に根付かない事業を展開していることが、なんともうつろな情景となっていました。
ブルックスがどんな成算があってこの大きなビルを買ったのか、数年たってこの使用状況の実態は?県は一連の動きにどのように関わっているか?等々多くの疑問を抱きながら、ここを去りました。
●最後に訪れたのが、下曽我。小山田さんがオーナーから土地を借り入れ、ミカンを耕作している畑。山間の傾斜地にはミカンが既に鈴なり。ミカン狩りを楽しませていただきました。
昔ここは「みかんの花咲く丘」にうたわれ、オレンジと緑色で埋め尽くされていたといいます。ところが昨今は、緑色のみと嘆く声をきっかけに生まれた「おひるねミカンプロジェクト」。
見映えが大きな要素となる市場にそのまま出すだけでは勝負にならないと、ジュースが追及されています。「おひるねミカンジュース」と称して。
このネーミングほっこりとしていいですね。私は最初、日向ぼっことお昼寝を連想したのですが、さにあらず。休耕地(お昼寝)からできたみかんという意味でした。
除草剤を使わず、小山田さんが飼う「みかん」という名のヤギが草を食べていました。
●地域振興がどのように可能となるのか、対比もできたウオッチングでした。県政が何をやらなければいけないのか、示唆も多くありましたが、長くなりましたので、今回の報告はここまで。
知事候補者の確定が待たれます。(2022.12.8)