君嶋ちか子

きみしま 千佳子
神奈川18区から政治を変える
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神奈川18区女性・雇用相談室長前神奈川県議会議員
活動日誌

保育士配置基準、想像力ゼロの知事答弁 |君嶋ちか子|神奈川県議会議員

2022年9月21日

●第三定例会、共産党の代表質問は石田議員です。

質問項目は、1「障がい者の人権を守る県政」 2「安心安全な保育所」 3「物価高騰に対する医療機関・高齢者施設等への補助」 4「新型コロナ感染症対策」 5「がけ地近接等危険住宅移転事業」です。

印象的だったのは、2の保育所にかかる質問です。長い間保育士として働いてきた石田議員が、県議会最後の代表質問(石田議員は、今期で引退することを明らかにしています)において、思いを込めて取り上げたテーマです。

代表質問終了後、傍聴者と懇談

●安全安心な保育所という点から、最初に取り上げたのは実地監査の重要性です。

保育所は原則的に都道府県による年一回の監査が義務付けられています。ところが厚生労働省は、児童福祉法施行令を改訂し実地要件を削除し、書面やリモートを可能としました。これについてはパブコメなどで反対が多数に上り4月からの実施は先延ばしとされています。

実地監査は不可欠です。「給食が献立通りか」「避難路は二方向が確保されているか」「保育指針に基づく保育が実際に行われているか」さらに子どもや職員の表情など、現場で得られる情報は書類の比ではありません。(まさに保育の現場を知る石田議員ならではの指摘です)

これらの点から実地監査の実施率100パーセントを目指すべきと求めました。知事は施設数の増加やコロナによる延期などが生じている中で工夫が求められるとし、100パーセント実施の明言はしませんでしたが、保育士資格を有する職員が現地に赴いて実態を確認するとしました。この点は評価できます。

●次に求めたのは、保育士の配置基準の改善です。

現在の保育士配置基準は、1・2歳児6人に対し保育士1人、4・5歳児30人に対し1人となっています。この基準はそれぞれ55年間・74年間変わっていません。

さらに、保育所は1日11時間、週6日、66時間開所が基本です。公定価格に基づく保育士数ではシフトが組めず、公定価格内に収めるため非常勤職員でやりくりしています。それでも足りなくて休憩時間も取れません。

配置基準の引き上げを国に求めるとともに、県として加配を検討すべきと求めました。

知事は「配置基準及び公定価格に基づく体制で適宜丁寧な保育の提供は可能であり、配置基準の引き上げを国に要望することや県独自の加配を行うことは考えていません」と言い放ちました。

●石田議員はたまりかねて再質問で、公定価格通りの人数ではシフトが組めない実態を再度訴え、子ども家庭庁設置の理念―子どもの健やかな成長及び発達の保障にも応えるものとして国に求めるべきと問いました。

それに対しても「配置基準は児童の心身の安全を確保するために必要な人数を算定したものであり、保育の提供は可能と考える」との繰り返し答弁。

9月5日送迎バスに置き去りにされた園児が死亡するという痛ましい事件がありましたが、保育現場はどこも人員不足で綱渡りをしています。散歩先の公園への置き去りも増えているといいます。

こんな実態を知事はどこまで理解して冷たい答弁を繰り返しているのでしょうか!地震や火事で避難を余儀なくされたとき、知事は1・2歳児6人を抱えてどうやって避難するのでしょうか‼

配置基準の改善は長年の保育士の悲願です。

代表質問全般にわたっては、県議団のHPに未定稿ながらアップしています。(2022.9.13)

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