●参議院選挙公示がついに。
とても厳しい選挙だと思います。
その理由の第一は、政権の凶暴さです。岸田政権は、安倍元首相以上に、戦争できる国に向けて動きは露骨です。最初の所信表明演説で敵基地攻撃論を展開したのには驚いたものです。改憲議論も活発に行うとしています。維新も加わり、今や改憲の大合唱となっています。
厳しさの第二は、2月24から始まったロシアのウクライナ侵略です。「ロシアは共産党の親戚」的な反共攻撃もそうですが、大きな問題は9条への動揺です。ウクライナの惨状を見る人々は、9条で日本は守れるのかと不安を訴え、政権の主張する軍事費倍増を容易に認めがちです。
もちろんそれぞれに私達は反論もし、平和と命を守るために必要なことは、何より戦争に至らせないこと、その為の最大の武器は憲法9条と訴えてきました。
徐々に切り返してきているとはいえ、まだ十分ではありません。
●公示日、私は比例カーから政策を訴えました。もう一人の弁士とそれぞれ10分。やはり基本的な課題に絞りました。
基本的な課題の一つは「命と平和をどう守るか」。これまでも何度も語ってきましたが、戦後77年間日本を戦争に加担させなかった憲法9条の役割、ASEAN(東南アジア諸国連合)の平和地域の実現、等を上げながら、様々な切り口から語りました。
戦争に至らせないために全力を尽くす、これが政治の役割です。なぜ他の党はこの議論は飛ばして軍事力増強の話に易々と乗っかるのでしょうか。軍備の増強で平和が守られないことはロシアの侵略を見れば明らかです。それどころか軍拡は軍拡を呼び、リスクを増大させます。
●もう一つの基本的課題は、「物価高騰の中で暮らしをどうまもるか」。
私は真っ先に消費税の引き下げを語ります。これは補助金の給付などと違い、要件など問題とならず、申請の手間もかからない、給付のための手間もかからない等、確実にすべての人に行きわたるからです。この減税によってGDPが2%引き上がるという試算もあります。
消費税等の引き下げは、既に91か国が実施しています。もはや普通の国ならやっている事だといえます。これがなぜできないか。怒りと不思議。
暮らしを助ける政策として、内部留保の働く人への還元です。大企業の内部留保は今や466兆円。日本の今年度の一般会計規模が107兆円、内部留保の大きさがわかるというもの。内部留保がこんなにため込まれているのは、そもそも労働力によって生み出された価値が労働者の賃金としてごく一部しか支払われていないからです。そのうえ、大企業減税が行われ、膨れあがっているのが内部留保です。
内部留保に課税をし、そこで得た税収は、最低賃金1500円実施の際の中小企業補助にあてます。また賃上げ分とグリーン投資は、税対象から控除します。
●ここまでくると、およそ10分経ってしまいます。地球の危機やジェンダー平等も語りたい気持ちはあるのですが、必ず聞いて頂きたいことを優先すると、この二点にならざるを得ません。
比例カーで代理弁士となると、候補者ではない分アピール度は弱くなるのですが、それでも共産党の車が走り、音と視覚で有権者に触れることは大事です。公示第一日目、各ポイントで、心を込めて訴えました。(2022.6.22)