●協力金や支援金に関わる補正予算審議が続いています。急遽組まれた前日の産業労働常任委員会の審議を受け、30日は本会議開催。
問題点や限界はあるのですが、意見や要望を述べ補正予算案に賛成しました。この議案は全会一致で成立しました。
●賛成討論の内容は以下の通りです。
2021年第2回神奈川県議会定例会本会議賛成討論
日本共産党の君嶋ちか子です。共産党神奈川県議団を代表して、本定例会に提案された定県第64号議案、定県第116号議案について賛成討論を行います。
本議案につきましては、地域公共交通事業者感染症対策支援事業費、宿泊施設感染症対策等事業費補助、テレワークの導入支援、融資を受ける際の信用保証事業費に対する補助の拡充とともに、中小企業等支援給付金事業費が盛り込まれています。
中小企業等支援給付金は、県として月次支援金に加算するとともに、月次支援金の要件に満たない30~50%未満の酒類販売事業者に県支援金として給付するものです。またその後、70%以上減少している酒類販売事業者には、最大40万円の上乗せをするという提案も盛り込まれました。これらの支援自体は望まれるところですが、他の業種との均衡が問題となります。
酒類販売事業者に該当するか否かに関わらず、大きく売り上げが減少していれば、経営が苦しいことは明らかです。
それにもかかわらず、今回の県独自の支援金は、酒類販売事業者等中小法人は最大で上限40万円、個人事業者は上限20万円の受給が可能となりますが、酒類販売以外の業種については、50%以上の売り上げ減のみ、中小法人定額5万円、個人事業者定額2.5万円と大きな差が生じています。感染拡大により減収をよぎなくされている酒類販売以外の業者にとって、この差は納得できません。
今回、酒類販売業者以外への支援が弱くなっているのは、県段階における月次支援金への加算や対象拡大に充てられる地方創生臨時交付金の協力要請推進枠の活用が、酒類販売事業者に限定されているからです。そのため、他の事業者との落差が生じています。
この差を少しでも埋めることが必要です。その為には、県としてこの差に対して補てんの工夫や新たな仕組みが望まれます。
また、地域で抱える困難について、国に対しても地方創生臨時交付金の使用制限を緩和するなど柔軟な使い方を可能とするよう強く要望していくべきです。
酒類販売業者以外の困難も併せて支えなければ、地域の経済は維持できません。
神奈川県として、酒類販売事業者だけに偏重しない支援策を策定するよう強く国に求めるべきです。
また、月次支援金等の手続きにも問題があります。
月次支援金などの申請の際に、高いハードルとなっているのが、申請の前提とされている登録確認機関による事前確認です。県支援金も一部を除き月次支援金の受給が前提ですから、県支援金も同様です。
登録確認機関として、商工会議所などが該当し、当初非会員も利用可能との説明でしたが、会員のみに限定している例を多く聞いています。実際県の把握でも、県内商工会議所33の内、会員のみに限定21所、地域限定10所、限定なし2所という状況です。
では会員になればいいかというと、横浜商工会議所を例にとると、年会費1万5千円~115万5千円であり、これでは実態として申請に経費が不可避となってしまいます。
また、これらの確認行為は税理士・会計士・行政書士なども可能とされていますが、この場合も国からの1000円の手数料補助を利用せず、5万円の手数料を利用者に求めるというケースも出ています。
これらは、最も困難な業者の方が、支援制度を使えない場合が生じることを意味します。
しかしながら、商工会議所は営利を目的としてはならず、商工会議所法にも「地域の商工業の総合的な改善発達を図り、社会一般の福祉の増進に資する」と明記されています。また県から18億円以上の補助金も拠出しているところです。
公的な性格を帯び、かつ公的な役割を期待されている商工会議所に対し、県として、月次支援金・県支援金の手続きに関わって、非会員であっても同様の対応とすることを求めるべきです。また会員拡大の機会とすることも厳に慎むよう求めるべきです。
このような体制整備は、これらの支援制度が必要なところに届き、制度の趣旨が生かされるための最低限の保証です。
最後に、これらの議案を含め一年半以上に及ぶ県民・県内事業者・その対策に追われる県職員・医療従事者等の方々の涙ぐましい努力を実らせるためにも、神奈川県としてオリンピック中止を国に求めるよう強く要望します。
以上、これらの意見要望を述べて、賛成討論といたします。(2021.6.30)