君嶋ちか子

きみしま 千佳子
神奈川18区から政治を変える
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神奈川18区女性・雇用相談室長前神奈川県議会議員
活動日誌

「不当解雇は許さない」伊草さんの闘い |君嶋ちか子|神奈川県会議員

2020年10月30日

●10月22日、NECの不当解雇とたたかう伊草さんの第8回口頭弁論に、ようやく傍聴として参加することができました。

●伊草貴大さんは、6年前の2014年、NECディスプレイソリューションズに就職。この時22歳。

でも、2015年12月18日、勤務時間中にいきなり4人の男性に手足ををつかまれ体ごと宙づり状態で、職場の外に連れ出されました。この事件にショックを受けしばらくは職場に戻ることができませんでしたが、治療を受け、休職期間に入る前に復職可能の診断を受けました。ところが会社は、休職者が活用するリワーク研修を受けるよう指示。リワーク研修を修了し、産業医面談も終えた後に、会社は休職期間満了による解雇を通告してきました。

●この不可解な経過に対し、伊草さんは5年間「不当解雇は許さない、職場に戻せ」と闘い続けています。

私はいまだに、会社がなぜ伊草さんを排除したいのかがわかりません。組合員などを攻撃する会社もありますが、当時は電気情報ユニオンにも入っていませんし、仕事もきちんとこなしていました。(決して、労働組合なら攻撃していいといっている訳ではありません、念のため)

また排除の仕方も尋常ではありません。

希望を持って仕事に就いた若者が、なぜ突然暴力的に職場から連れ去られ、だまし討ちのように「休職期間満了による解雇」を突きつけられなければならないのでしょうか。

●伊草さんは、自分の雇用を守るだけではなく、多くのリストラに苦しんで知る人たちと連帯する闘いだといいます。また「このまま泣き寝入りすると、こんなやり方を許したことになる」とも言っていました。

同感です。23歳の若者がよく立ちあがったものです。普通に友人と遊びながら、仕事に励むような5年間ではなかったかもしれませんが、彼はきっと後悔しない人生を歩んでいると思います。

●さてこの日は、高橋宏弁護士が、準備書面を補強する意見陳述を行い、要旨次のように述べました。

*産業医制度は、1960年代の制度創設時から、会社にとって好ましくない労働者を排除するために協力させられてきた経緯がある。

*被告福田医師は、医学的には発達障害の診断基準を満たしていないにもかかわらず、被告会社に発達障害と受け取れる診療情報を提供することにより、被告会社の原告排除行為に重要な根拠を与えた。

*ところが福田医師は、「発達障害などと診断した事実はない」と主張。

*原告について「能力発達に元々特性があり、業務に支障をきたす人」との診断名をつけておきながら、意見書においては「原告が職場に戻れるように診療情報提供書を作成した」旨主張。

*よって、福田医師の診療録及び陳述書に対する証人尋問は欠かすことができないので、証人採用すべきである。

●この陳述以前に提出した弁護団の意見書では、他に二人の証人採用を求めています。

原告が電機情報ユニオン加入後、被告との交渉の前面に立ってきた森書記長と、発達歴を語れる原告実父です。

●高橋弁護士の陳述の後、次回の日程調整となりましたが、裁判長提示の12月と1月の日程は被告側「不都合」により、4月以降を余儀なくされました。

さらに、4月以降は人事異動の時期で「弁論の更新(それまでの口頭弁論の結果を陳述する)」をやらざるを得ない、ついては「証人の採用の可否も新しい体制に依ったほうがいい」との判断が示され、弁護団も了解しました。

私はこれが甚だ疑問でした。異動が確実なのか否か?異動があるととしてもせめて証人の採用は、これまでの弁論に基づき決定して差支えないのではないか?「弁論の更新」がなされるとしても、今までの弁論はすべて白紙の如く審判に反映されないのか?等々です。

一部は、報告集会の場で質問させていただきましたが…。

●これらの疑問は残りますが、必要な場合は、弁論の更新をしっかりやって欲しいと思いますし、それに基づき理にかなったかつ人間らしい裁判が速やかに行われることを望みます。

速やかにとあえて言うのは、残る20代の日々、闘いが貴重な経験なのは承知したうえで、心安らぐ時期も過ごしてほしいなと思うからです。(2020.10.22)

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