●早くも台風が心配な季節を迎えます。
市古次郎議員の事務所近辺の方を中心に、市の「ぼうさい出前講座」を利用して、災害に関わる勉強会を行いました。
川崎市の危機管理室の方に、昨年の台風19号時の避難所設置に関わる問題点などを中心にお話しいただきました。
伺ったお話は、昨年避難所周りを初めて経験した私の実感でもありました。
●昨年初めて川崎市としては、ほぼ全ての公立小中学校を避難所として開放しました。158ヶ所の避難所に33,150人の方が避難しました。
市の職員の方2人が各避難所に配置されましたが、それではとても対応しきれないところも多く、学校関係者や町内会役員の方が様々な役割を果たしていました。
避難所のスムーズな体制づくりが課題となります。避難所の運営体制の規模とともに、運営に当たる人たちの意思疎通が大事なことが、参加者からも指摘されました。
●昨年は、ペット同伴を認めるかどうかが課題となりました。避難所毎にその対応は違っていたようですが、今後ペット同伴も視野に入れる必要があります。ペットは家族と同じですから、ペット同伴が認められないから避難所に行かなかったという方も実際いました。
●前回は、体育館に当初避難場所を設置しながら、一階は浸水の恐れがあるという事から、途中で二階以上に変更したというケースも続出しました。避難所といえば、体育館の光景がニュースなどで映し出されることが多く、当初は体育館設置も不思議ではなかったのですが、水害の場合は確かに高さが求められます。
この点では混乱もありました。普通教室は、生徒の私物もあることから使用が認められず、廊下しか使えなかったなどのケースもありました。
水害の場合は当初から教室使用の合意形成が必要ということです。多目的ホールなどが二階以上にあるといいですね。
何れにしても学校は、普段の教育にとどまらない役割が各地域において求められるという事がここでも示されました。、学校建設の場合に必要な視点です。
●また、避難に該当する場合の明示も必要となります。例えば、マンションの5階に住んでいる方が、避難所を利用したというお話もありましたが、どちらが安全なのかという話にもなります。
今後に備えては、避難所の収容可能人数という点からも、悪天候をついて避難所まで足を運ぶのではなく、垂直避難も視野に入れなければ、地域全体の安全性は確保できません。
●これらとともに、今年の避難所設置に必須なこととして、コロナ対応が求められます。陽性の方、または疑われる方、いずれも他の方と同室と言う訳にはいきません。
また床に直に寝る方法でいいのかという意見も出されました。他国の例でホテルの借上げなどもありました。また段ボールを利用した簡易ベッドの例もあります。
私は、コロナに関わりネットカフェが休業に至った際の仮宿舎に利用された簡易ベッドや間仕切りも念頭に浮かびました。
避難所には今後、質の向上も多く求められることとなります。
●昨年台風直後に、県立高校の使用も町内会の方から求められました。人口が多い中原区などでは、公立小中学校だけでは足りない場合も十分考えられます。
県教育委員会に確認したところ、要請があれば開放するとのことでしたが、その要請が十分にいきわたってないことも今回わかりました。
川崎市の場合、県教委の認識としては、多摩区の多摩高校と向の岡工業高校しか求められていないという事でした。中原区の県立三校と中原養護学校についても、開放するためには市からの要請が必要となります。
これらの確認も含めて、今回の出前講座、貴重な場となりました。 (2020.8.16)