●久々の嬉しいニュース。
検察庁法改定案が、今国会見送りとなりました!
1千万以上の「#検察庁法改正に抗議します」があふれたネット上の大きなうねり、元検事総長含む検察OB13人の反対意見書、元特捜部長含む東京地検OB38人の再考を求める意見書などは、かつてないことです。東京新聞は「うねる民意 首相追い込む」と報じ、しんぶん赤旗は「民主主義の底力示した」と大見出し。
●「ツイッターデモ」という言葉も使われ始めましたが、これが大きな話題になったのは、芸能人はじめ著名人が多く投稿したことがきっかけです。やはり影響力ある人が声をあげることは大きな力です。
私ももちろん参加しました。「#検察庁法…」は「抗議します」が結びとなっていて、私の感覚では、「抗議」では物足りなく「撤回を求める」だったのですが、そこは#に足並みを揃えて。
最終的には1000万を超えました。
●このただならない力が働く中で、15日発表の松尾邦弘元検事総長等の反対意見書にも驚きました。「オーッ!ここが声を上げたか」と。内容的にも胸がすく思いでした。そして感動的でした。
先の閣議決定を、「法律改正の手続きを経ずに内閣による解釈だけで法律の解釈運用を変更したという宣言であって、フランスの絶対王政を確立し君臨したルイ14世の言葉として伝えられる『朕は国家である』との中世の亡霊のような言葉をほうふつとさせる」と断じ、ジョンロックの「法が終わるところ、暴政が始まる」の言葉を引用し、安倍政権の本質をつきました。
●「今回の法改正は、検察の人事に政治権力が介入することを正当化し、政権の意に沿わない検察の動きを封じ込め、検察の力を削ぐことを意図していると考えられる」と声を上げる必然性を語ります。
そして、ロッキード事件をめぐり「造船疑獄事件の時のように指揮権発動に脅えることなくのびのびと事件の解明に全力を傾注できたのは検察上層部の不退転の姿勢、それに国民の熱い支持と、捜査への政治的介入に抑制的な政治家たちの存在であった」と。時の首相は三木武夫氏。
「天を仰ぎたくなるような恥ずべき事件もあった」と汚点も語りながら、「人事権まで政権側に握られ、起訴・不起訴の決定など公訴権の行使にまで干渉を受けるようになったら検察は国民の信託に応えられない。正しいことが正しく行われる国家社会でなくてはならない」と。検察への愛と誇りを感じます。
●そして最後に、「与党野党の境界を超えて多くの国会議員と法曹人、そして心ある国民すべてがこの検察庁法改正案に断固反対の声を上げてこれを阻止する行動に出ることを期待してやまない」と結びました。
私は、共産党が発する呼びかけのような響きを感じました。魂が発する声は通底するという事でしょうか。久しぶりに人間の矜持と力を実感できました。
ここまで事態を引き上げた国会の論戦、国会を包囲した市民の力にも敬意を表しつつ。
(ついでながら、松尾氏の文章は格調高いけれど、もう少し「、」読点を使った方がいいですね) (2020.5.18)