●急遽決まった特別定額給付金。総務省の担当の方と懇談する機会を得ました。
受付日は、補正予算成立後、市区町村において決定されます。申請期限は、受け付け開始日から3か月以内です。
特別な配慮を要するケースの一つとして、配偶者等の暴力を理由とした避難事例が挙げられています。この日は主にこの取り扱いについてやり取りをしました。
●基準日(4月27日)において、住民票とは違う場所に住んでいるケースについては、一定の道筋が示されています。
このようなケースにおいては、「一定の要件」を満たし、その旨を申し出た場合は、避難者が居住する市区町村から支給されることになります。
その要件は、ア)「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」に基づく「保護命令」が出されている事、イ)婦人相談所による「配偶者からの暴力の被害者の保護に関する証明書」が出されている事、ウ)基準日以降に住民票が居住市区町村に移されている事、このいずれかを満たしている事です。
●問題は、これらに当てはまらないケースが少なからずあることです。相談機関などに届かないケースも、見つかることを恐れる等手続きできないことも珍しくありません。
4月30日までに避難先の市区町村に申し出ることが必要とされていますが、これに間に合わない場合も多く考えられます。柔軟な対応を求めました。
(その後、衆議院の総務委員会での本村議員の質問に対して、総務省は30日の期限を過ぎても、受け付ける」と答弁しています。)
●住民票届出地Aと避難先居住地Bの担当者が情報を共有できていれば、Aからの支給案内において避難者の名前を外すことができます。そしてBからの案内が避難者に届きます。
この流れを確立する為には、被害者=避難者への一刻も早い周知、各市町村担当者への周知を求めました。
また、もしも避難者の分も世帯主に払ってしまった場合でも、返還を命ずる旨を記入することも確認しました。
(この後、国会総務委員会での質問に対し、総務省は「世帯主に支給された後でも、被害者からの申し出があれば支給し、世帯主には二重払い分の返還を求める」と明言しています。)
●DV被害者は配偶者だけではなく、親の場合も子どもの場合もあります。これらのケースにも対応することを求めました。(参議院予算委員会で、虐待を受けている子どもに対しては、「実際に住んでいる市区町村から子ども宛てに申請書が送られ、児童養護施設職員や里親が申請する」と明言されました。)
●以上のような進展はあったものの、次の点は全く問題にされず。
私は、全ての人が対象の給付金ですから、「保護命令」や「証明」は必要ないと思います。二重支給を避ける仕組みさえできていれば、居住地が違っている理由は問題にならないと思うのです。事情がないのに、わざわざ住まいを別にする人はそうはいません。事情がないのに、わざわざ別の地から受け取ろうとする人もいません。証明など必要ない仕組みに、と訴えました。
この点は残念でしたが、さらに心配なのは、この情報を知らない人、また知っていても申し出ができない人もいるのではないか、という事です。さらに路上で生活する人や、無国籍の方も、一定の想定はあるとはいえ、支給に結び付くか否か気がかりです。
●この担当の方もやはり、この間休み無しです。急な制度をつくり、様々な要請に応えるために奮闘されています。医療や公衆衛生の分野と同様公務も、安心して暮らせる社会のために、充分な体制が必須です。(2020.4.27)