日本共産党の代表質問、今回は、井坂議員が行いました。
●第一に、県の財政運営について。
県内景気や消費税増税などによる家計消費の落ち込みなどについて、知事の認識を質しました。
知事の答弁は「今後の動向を注視する」にとどまりました。
●第二に、防災・減災対策です。
国も河川浚渫の予算を新たにつけ、技術職員の確保支援策も示しています。これらに県はどのように対応するのかを問いました。
さすがに「県も全力を上げる」と答弁。
●第三に、気候変動対策です。
2回の化石賞受賞という不名誉な事態を、どう受け止めているかを問うと、知事は「NGO団体による主観的な評価」と言ってのけました。
横須賀に建設中の石炭火力発電所の建設中止を求めるべきと質しても、「国が判断すべき」と逃げました。
●第四に、県庁職員の自死に関わる認識とパワハラの根絶、長時間労働の解消について質しました。
2016年、職員がパワハラと長時間労働の末に、自ら命を絶ちました。昨年11月お母さんは、県の安全配慮義務違反を問い提訴しました。
知事はこの事をひた隠しにしていたため、裁判報道がされるまで、多くの職員がこの事を知りませんでした。
お母さんは「謝罪もお悔やみの言葉も知事から聞かれなかった」「このままでは、息子の死がなかったことになってしまう」「二度とこのようなことを引き起こしてほしくない」との思いで、提訴したといっています。
県職員の過労自死裁判をどのように捉えているのかを問い、遺族に謝罪することを求めました。
知事は「謝罪の思いが伝わっていなかったとしたら、反省したい」「二度と繰り返さないという思いで、働き方改革に取り組みたい」と答弁。
パワハラの根絶については、「弁護士による調査も可能な仕組みを確立している」「不祥事防止対策協議会で調査もすることができる」としています。
長時間労働の解消では、「働き方改革の取り組みにより、月平均60時間超の職員数が3年前に比べ、10分の1以下に減少している」と答弁(これについては甚だ疑問、調べなければと思いながら聞いていました)。
職員については「新年度、災害復旧対応やオリパラなどで99名の増員を予定している」と。
●第五に、津久井やまゆり園の指定管理者の運営についてです。
知事は12月5日の本会議で、突然「津久井やまゆり園の指定管理期間を短縮し、管理者を公募する」と発言。その理由として「津久井やまゆり園の裁判が始まるとよくないことが出てくる」また後日、「1月10日立上げの検証委員会による居室の施錠という虐待の疑い」などをあげています。
でも、1月立上げの検証委員会の指摘は、時期的に12月5日発言の根拠にはなり得ません。
また、虐待の疑いなどについては、管理運営のモニタリングをしてきた県の責任も問われるものであり、検討のプロセス抜きに指定管理者の変更を打ち上げるのは、妥当ではありません。
質問では、知事の発言を撤回し、改めて利用者や家族、共同会とその職員などと相談しながら、今後の運営や支援のあり方を探ることを求めました。
これに対し、知事は「撤回するつもりはない。今後も丁寧に説明していく」と答弁。指摘された矛盾には蓋をしたままです。
●第六に、外国籍の子どもの就学促進を行うために、県教育委員会が支援を行うことを求めました。
神奈川県では、2288人の外国籍の子どもが就学できていません。
教育長は、「1月に外国籍の子どもの就学促進について、臨時の市町村教育委員会所管課長会議で協議した。今後も支援する」と答弁。
●最後に、相模総合補給廠に、米陸軍第38防空砲兵旅団司令部が配備されたことについてです。
グアムに駐留するTHAADを配備するこの部隊は、インド太平洋地域のミサイル防衛を担い、日本の防衛ではなくアメリカの本土防衛が目的です。これは日米安全保障条約にも反するものです。
この配備に抗議をし、相模総合補給廠の返還を求めるよう、認識を質しました。
知事は「国からは、配備は基地の機能強化には当たらず、安保条約の目的に資するとの説明を受けている」「相模補給廠の一部返還については引き続き働き掛ける」との答弁を行いました。
●再質問についても同じ答えを繰り返し、知事の不誠実さが目立ちました。
職員の過労自殺に対する態度、津久井やまゆり園に関わる迷走など、安倍政権に似た専横ぶりが浮き彫りになっています。
職員の精神不調については、知事案件抱えた部署での無理な要求やパワハラなど、知事の責任が問われます。精神的に不調を抱えた職員をさらに長時間労働を余儀なくさせる財務課に異動させたのもいかにも不適切です。
さらに職員の死を秘匿したことも、異常な対応です。私はこれらを許すことができません。(2020.2.19)