●新型コロナウイルスの感染が国内でも広がり、国民の不安は増しています。
それにもかかわらず、基本的な対策が確立されていません。
検査数が韓国などに比べても格段に遅れています。(2月25日現在検査数累計=韓国:40,304人、日本913+?人)
指定病院のベッドがふさがっていたりするうえに、一般病院での受け入れ態勢ももちろん確立されていません。その結果「軽症者は自宅待機」などを余儀なくされています。
●県議団は、2月17日知事に対し、次の申し入れ(要旨)を行いました。
▼正確な情報を速やかに発信すること。
▼検査体制や診療体制を早急に拡充すること。
▼感染者受入れの一般病院について、院内感染者を拡大させないため、隔離など必要な措置を講じること。
▼神奈川県衛生研究所及び保健所の体制強化を図ること。
▼新型肺炎の影響を受ける県内産業に対し、県として支援策を講じること。雇用調整助成金など、利用可能な制度の周知を図ること。
●18日には、公衆衛生の専門家からの聞き取りも行いました。
上記の緊急対応とともに強調されたのが、疫学調査を確実に行うことです。感染経路を明らかにするうえでも、今後の対策をたてる上でもそれが基本とのことでした。
シンガポールでは、感染連鎖を可視化するために全力を上げており、感染の実態が少しずつ解明されてきているそうです。これが可能になっているのは、2003年のSARS流行の際に、体制整備を行ったからと。その結果、現在1日2000検体の検査が可能になっているそうです。日本ではこれが遅々として進んでいません。
●疫学調査、住民の相談、適切な指示を行うために、保健所が公衆衛生の要ともなります。ところが保健所が減り続けています。(全国的には1992年852ヶ所➡2019年472ヶ所)
県内保健所も綱渡り状態で仕事をしています。また感染症予防・食品や医薬品の安全確保を行っている神奈川県衛生研究所も同様です。
このギリギリの体制に今回のような感染症拡大が生じると対応しきれません。医療・公衆衛生の拡充・体制強化が必須です。
●今回のコロナ感染に対して、いま必要なことを整理させていただきました。
★相談体制の整備(県庁及び保健所)=人員の確保、時間拡張、回線の確保
★検査体制の整備=感染研究所・地方衛生研究所などの検査キャパシティ(機器・人・試薬・予算)を増やす。
★感染源の遮断=感染経路遮断のための疫学調査体制の強化。(技術職員は一日ではたたない・疫学調査の重要性を位置付けよ)。
★感染症指定病院以外での備え=患者の待機場所・診療場所の確保、医療従事者の感染防御。感染者の人権尊重と適切な医療の提供。
★これらを可能とする県予算の確保と国予算確保の要望。
●事態は刻々と変化していますが、この日伺ったことは、感染症に対する基本として国及び神奈川県において確立させていかなければなりません。(2020.2.18)