●盛りだくさんの予定が詰まったこの日。すべて触れることはできませんが、でも是非伝えたいのが再び予算。予算を読み解く機会が又ありました。
本格議論の前の小話を少し。
*安倍政権予算の特徴は、当初予算で分析しきれない。つまり補正で兆単位のお金がつけられる、それも軍事費に多く見られ、まさにブラックボックスと化している。
*社会保障はズタズタにされようとしているが、子育て政策はわずかに使えるものもあり。
*ここ数年の自然災害は深刻。減災・防災にはお金を出さざるを得ない。
●大変な課題が目白押しで全てに触れることができませんが、ここでは、安倍政権が最重要課題としている「全世代型社会保障」について。財政制度審議会は、新年度予算編成に向けて以下のような、答申をしています。
これを進める「全世代型社会保障検討会議」のメンバーには、財界代表が名を連ね、医療・介護の現場に関わる人・利用者・患者などは一人もいません。しかも民間議員の大半は、社会保障に大ナタを振るい、医療・介護の市場化を促してきた経済財政諮問会議のメンバーです!
●年金は、マクロ経済スライドでアウト!
マクロ経済スライドとは、毎年の年金改定率からマクロ調整分を差し引くことです。現在マクロ調整終了年度は、2046年度ごろとされていますが、それによると基礎年金の水準は現在より三割も減ります。この削減額は7兆円に及びます。
日本共産党はマクロ経済スライドをやめるために、高額所得者の保険料の見直し、巨額の年金積立金の活用、賃上げと正社員化により保険料収入を増やす、ことを提案しています。
●医療・介護は、とにかく負担増と給付削減!
75歳以上原則2割負担、受診時定額負担の導入、医療用薬品の保険給付外し、高齢者医療における「現役並み所得」の対象拡大などが提案されています。
介護サービス利用料を原則2割に引き上げ、要介護1・2の生活援助の保険給付外し、ケアプラン作成の有料化などが提案されています。
●国保は、「保険者努力支援制度」で露骨な締め付け!
今までも、一般会計から保険に財政を繰り入れることを止めるよう指導する都道府県に「加点」してきましたが、2020年度からは、繰り入れを続ける市町村は「減点」し、予算を削減!財政支援をする自治体を「悪」とするのですから、とんでもない仕組みです。これも経済財政諮問会議が求めている事です。
全国知事会・全国市長会は、国庫負担割合の引き上げ、子どもの均等割り保険料の軽減などを要求しています。日本共産党も同様の対応を求めています。
●医療、病床削減を迫る!
再編統合の必要性ありと名指しされた424の公立・公的病院名の公表には、不安と抗議の声が集まっています。この発端も、経済財政諮問会議です。
地域の特殊性や、各病院の努力や工夫を無視するリストの撤回を求める声は広がっていますが、病床削減をさらに強権的に進める考えです。
医師の長時間労働や絶対的不足を放置したままの「医師偏在対策」では、実効性もありません。
削減を続ける診療報酬を引き上げ、医療従事者の労働条件改善と確保のための方策が欠かせません。
●保育、保育士不足さらに深刻に!
保育所に支払われる「公定価格の引き下げ」を予定しています。今でも足りない公定価格を引き下げれば、保育士不足に拍車をかけます。
●まさに全世代にわたって、社会保障がズタズタにされようとし、命が脅かされています。
惨憺たる状況は、目を覆うばかりですが、ここで「防災・減災対策の推進」を紹介します!ここでわずかに「政治らしい政治」を見ることができます。これらはフルに活用しなければ!
*河川等の浚渫を推進するため、「緊急浚渫推進事業費(仮称)」を900億円計上。
*森林整備を促進するため、森林環境譲与税を前倒しで増額(地方で使える部分が増える)
*都道府県等が技術職員の増員を図り、技術職員不足の市町村を支援するとともに、大規模災害時の中長期派遣要員を確保するための経費に対して地方財政措置を講ずる。(2020.2.8)