君嶋ちか子

きみしま 千佳子
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神奈川県議会議員
活動日誌

水没通じて、市民ミュージアムの管理全般が問われる |君嶋ちか子|神奈川県会議員

2019年12月29日

●10月12日の台風19号により市民ミュージアム収蔵室が水没したことは、私にとって忘れられない出来事でした。

かけがえのない収蔵品が無防備に被災したことにとても引っ掛かりを覚えていました。

そんな折、「市民ミュージアムの被害を考えるシンポジウム」で報告の一部をとのお誘い、喜んで引き受けました。

「シンポ会場の川崎カルッツに展示され、水害を免れた大矢紀氏作製の日本画」

●私が駆けつけたのが10月14日朝。

地下室収蔵庫に繋がるスロープに4メートル近い水がたまり、お濠のような状態を見た時は息をのみました。

中には入れず、外で学芸員の方にお話しを聞きました。またその後県議団としても、28日に状況確認をしています。

以下、その状況を中心に報告。

<12日台風当日の対応>

▼台風に備え休館日とし、二人の通常警備のところ4人体制で臨む。ただし、この4人は、建物の維持管理のみを行う東急コミュニティーの職員であり、収蔵品には関与できない。

▼まれに見る大型台風との警報にも拘らず、建物に対する備えは、館内の収蔵庫前のドアに土嚢を積んだのみ。

▼外のスロープ側のシャッターは、既設の排水ポンプがあるので大丈夫との認識。

▼19:30頃から、内側扉付近の浸水が始まり職員が掃き出し。

▼20時、大量の浸水により危険な状態となり撤退。

▼収蔵品については手つかずのまま水没という状態に。

<排水の状況>

▼市消防ポンプ車1台により13日8:30から排水。

▼私が訪れた14日朝で、約50センチしか水位下がらず。

▼14夜、ようやく国交省大型排水車に代わり排水量アップ。

▼17日、排水完了。

<水没状態が浮き彫りにしたこと>

▼12日の体制が東急コミュニティーのみだったことは、市民ミュージアムの指定管理者であるアクティオが、緊急に一部だけでも収蔵物を移動させるなどの必要性を認識していなかったことを示す。

▼他度々繰り返された警報への認識が甘かったのか、あるいは、収蔵物の大切さを認識していなかったのか。はたまたいずれも当てはまるのか。

▼これらは責任を問われざるを得ない。自然災害自体を止めることはできないが、それへの対応により、被害の度合いは大きく異なる。指定管理者であるアクティオの責任とともに、市の責任を問わざるを得ない。

<結びに>

指定管理者に専門性・継続性がとりわけ必要とされる施設を任せることの弊害を、他の施設の例も交えながら報告。当施設に特化した問題点は他の報告者に委ねる。

●次に、市民ミュージアムの指定管理に関わる経緯を、川口彩子弁護士が報告。

・2015年、制度導入が強行され、2017年からアクティオの管理となる。

・賃金7割減、待遇が劣悪で、アクティオに移行した学芸員は3人のみ。

・指定管理者に移行後、借り物の企画や巡回型の企画がが増え、自主企画や収蔵物の活用が減少。

・収蔵品に対する認識は不十分。

●続いて、かわさき市民オンブズマン事務局長の星野文紀弁護士が報告。

・同オンブズマンは、被害に先立つ5月の総会で、主要テーマとして指定管理者制度を取り上げ、その第一弾として市民ミュージアムの財産管理状況に着目。

・6月21日には情報公開請求実施。(指定管理者として、正規学芸員が欠ける中で収蔵品が適切に管理されているか、適正な公金の支出が行われているかなど)

・これらに対する回答は、漏れや未作成が散見され非常に不十分。どこに何があるのかというリストさえない。公金支出についても見解の相違点を残している。

・この従来の問題点に加え、水没の恐れがあるのに、漫然と過ごしていたことは重大。損害額さえ、未だ把握できないでいる。

・収蔵品修復のためにふるさと応援基金を求めているが、取り組みとしていかがなものか。

●指定管理者めぐる雇用問題について、川崎地域労働組合の竹内康雄氏の報告。

・指定管理者は、労働者の賃金を年々下げざるを得ない。

・アクティオについては遵法意識がなく、36協定も締結されていない。公契約条例にも抵触しかねない。

・市行政がこれらを公認していることは、重大。

●最後の報告者は、市民ミュージアム元副館長の濱崎好治氏。

(氏は2018年雇止めとなり、副館長の地位確認を求め、横浜地裁川崎支部に提訴中。この件については、スペース上、ここでは触れませんが、管理の劣化を必然とする事例がいくつも示されています。)

・収蔵品には人間の命と同様に48時間ルールがある。6日間水に浸かり、紙類は壊滅的な被害となっている。

・県内学芸員がミュージアムに派遣されているが、指揮官がいない。その為災害対応にとどまらず、復旧作業も滞っている。修復か廃棄かの判断も困難な状態。リストも欠落。

・いつまでもボランティアに頼っている場合ではない。

・歴史・文化財の専門家に正式に依頼すべき。

・第三者委員会による原因究明が必要。

●改めて問題点を整理しつつ、次々と新たな問題も明らかとなってきます。

指定管理者制度の中で、復旧も困難に直面している事がうかがわれます。博物館のあり方を問い直すと同時に、指定管理者についても引き続き検証されなければなりません。

「公」の責任が、重ねて問われます。 (2019.12.22)

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