●台風被害をめぐって、川崎市の説明会が各地で行われています。私も宮内小学校、上丸子小学校、下沼部町内会館の説明会に参加していますが、いずれも浸水被害に関わって「排水樋管を閉めなかったことについては、マニュアル通りで、問題はなかった」という説明に終始しています。
この点についての疑問、さらに再発防止などをめぐって「台風19号 多摩川水害を考える川崎有志の会(仮称)」準備会が、4日に開かれました。
急遽、こういう会が有志でつくられるのが頼もしいところ。
「会」は、台風19号被害の検証などを求める要望署名を広げることとともに、安心して暮らせるまちづくりを、市民自身の手で進めていくことを呼びかけています。
●元国土交通省関東地方整備局にお勤めだった方のお話と川岸卓哉弁護士からお話がありました。
この間の市説明会で皆さんの最大の関心事は、「樋管をなぜ閉めなかったか」です。
閉めなかった根拠として市は、「降雨がある場合や大雨警報が発令されている等、降雨の恐れがある場合は○○排水樋管ゲートを全開にする」とのマニュアルを示してきました。
これに対し、川岸弁護士のお話にあった二つの点が、今後のポイントになると思います。
○川崎市排水樋管操作要項の2条は、操作の目的として「逆流を防止し、流域住民の生命や財産を災害から防御することを目的とする」としています。3条には、「樋管から逆流が予想されるとき、樋管のゲートを閉にできるものとする」と記されています。
この要項に照らすならば、市が度々説明会で用いているマニュアルは、十分ではありません。
○ゲート開閉判断の先例として、沙流川水害訴訟を例示。「樋門を閉じた場合の内水氾濫のみによる被害と比較し、増加した水量及び汚泥量によって被害は拡大したとして国家賠償法に基ずく損害賠償請求が一部任用された」という説明が付されていました。
今後、「降雨」だけを判断基準としているこのマニュアルを改めるかどうかが、大きな問題です。
●5日、「会」として市に要望書を提出しました。要望事項は以下の3点です。
1.台風19号による浸水被害の原因について検証委員会を設置して検証すること。検証委員会は、川崎市と利害関係のない河川・法律等の専門家のほか、市民(被災者地域の代表等)によって構成すること。
2.川崎市の責任を認め被災者の生活再建のため完全賠償をすること。
3.2度と水害が起こらないよう速やかに再発防止策を示し実行すること。
今後これらの要望を、市に反映させるための取り組みを進めることになります。12月19日(19時~川崎総合自治会館)には、会を正式に発足させることが予定されています。(2019.12.4)