●第三定例会後半が始まり、大山議員が代表質問を行いました。共産党は、12月一般質問はありませんから、県議団の思いはここに詰まっています。
詳しいやりとりは後日となりますが、項目は以下の通りです。
1 災害から県民を守ることについて
1-1) 平瀬川の浸水対策及び都市河川重点整備計画の見直しについて
1-2) 河川整備の促進について
1-3) 建築物の浸水対策について
1-4) 災害対応力の強化について
2 県政の重要課題について
2-1) 被疑者の安全確保について
2-2) 訪問看護等の介護現場における利用者等のハラスメント対策について
2-3) 公立学校教員に変形労働時間制を導入しないことについて
2-4) 知事の歴史認識と表現の自由について
ア.知事の歴史認識について
イ.表現の自由について
●それぞれ問題点は多くありますが、ここでは公立学校教員の変形労働時間制に限ってお伝えします。
変形労時間制について、私達は、教育長との懇談を初めとして、導入すべきではないことを伝えてきました。
変形労働時間は、そもそも長時間労働の解消とは無縁のものです。労働時間の変動を吸収する期間(3か月・6カ月・一年など)を単位として用いることにより、残業代節約を図ろうとするのがこの制度の発端です。
●今回公立学校に持ち込もうとしているのは、残業代節約というよりは(残業代はそもそも払われていませんから)、「働き方改革」と称して、「閑散期である夏休みに集中的に休み、学期中は所定労働時間を増やす」という悪質なものです。
夏休みは、決して「閑散期」ではありませんし、学期中の所定労働時間を増やすことは、現在の長時間労働に拍車をかけます。
長時間労働にあえいでいる教育現場を、さらに痛めつけることはやめるべきです。
●制度導入に当たっては、都道府県や政令市の条例制定が必要です。
もともと厚生労働省の通知により「恒常的な時間外労働がない」ことが、制度導入の前提ですが、今回文科省は「月45時間以内、年間360時間以内という残業時間ガイドラインの遵守が前提」とハードルを引き下げました。
●大山議員は、事態を悪化させるこの制度を神奈川では導入しないことを求め、その認識を質しました。
教育長は「国において、教員業務の明確化や人員確保がなされることが必要」としたうえで、「国・都道府県の状況、学校現場・市町村教育委員会の意見を踏まえて検討していく」と答弁。
さらに「恒常的な時間外労働が無い状態といえるのか」との再質問に対しては、「教員の勤務実態が厳しい状態にあると認識している。国は教員の業務の縮減、特に夏休みの業務縮減を前提としているので、その対応が必要」と。
●「神奈川県においても、制度導入には時間外労働を正す必要がある」との認識をかろうじて示したのは、先の懇談や今回の質問を通じた一定の成果です。
今後、教員増が最大の課題です。そして大事なことは思いつきのような改革などを持ち込ませないことです。
私は声を大にして言いたい!です。「疲弊している教育現場をさらに翻弄することはやめよ!教師の命を奪うな!子どもの未来を邪魔するな!」と。(2019.12.2)