●沖縄視察後も、共産党の神奈川県委員会として各省庁への予算要望交渉など取り組みが色々ありましたが、あまりにも遅れているので、少し飛ばして18日の教育長との懇談について報告します。
教員の変形労働時間制について、はたの君枝衆院議員、県議団からは石田議員、大山議員、君嶋が参加し、意見を交換しました。
公立学校に「一年単位の変形労働時間制」を導入しようとする「教職員給与等特別措置法の改定案」が今国会に提出され、衆議院を通過してしまいました。現在参議院文教科学委員会で審議中です。
●そもそも変形労働時間制は、労働基準法の趣旨に反するものです。一日単位で労働時間制限を設けているのは、人間の生理に基づいています。二日間眠り続けて、二日間ぶっ通しで仕事をするというのが無理なように、労働時間は一日単位で考えるべきものです。
変形労働時間制が労働基準法に持ち込まれるときにも、私達は強く反対しました。変形労働時間制は、超勤手当をできるだけ縮減しようという経営者のいわば悪知恵の産物です。単位を3か月・6カ月など大きくすることによって、超過勤務の多い日も業務量の少ない時期に吸収されて、超過勤務ではないという事が起こり得ます。
ですから、自民党の教育再生実行本部が、「教員の長時間労働を抑制するため」と称して変形労働時間制の導入を提言した時には、どこが長時間労働の抑制に繋がるというのか!と怒りを覚えました。こんなことを持ち込んで教育の現場をさらに苦しめるなどとんでもありません。
●私達は、「変形労働時間制は、長時間労働の解消にならないどころか、繁忙期の長時間労働を覆い隠し、一日の労働時間を増幅させるもので行うべきではない」と口々に強調しました。
教育長も「長時間労働の解消や働き方改革とどのように結びつくのかわからない」と度々口にしていましたが、制度導入等については明言を避けていました。
仮に国会で成立しても、神奈川県に自動的に導入されるわけではありません。通常、職場で導入するには、労働協約が必要ですが、この制度は、自治体の条例がそれに代わります。
神奈川県においては、あくまでも導入しないことを求めました。
教員の長時間労働や、忙しすぎる学校現場を改善するには、正規教員を増やすこと、業務量を減らすことが必要です。この「量」を変えなければ、長時間労働の解消はあり得ません。小手先の手法で改善されるはずがありません。(2019.11.18)