●決算委員会が始まっています。30年度決算の概要説明・現地調査を既に終えています。
決算委員会に、前4年間は共産党二人の委員を出すことができましたが、今期は一人。これも議員団が6人から5人に減ったことの影響です!
一人になると、質問時間も減ります。答弁含め9分しかありません。
また、7回の質問を、すべて一人で行うのは、その準備が大変なことを実感しました。二人いれば直接扱う課題は、3~4件ですが、一人だと7件に関連する調査・準備をしなければならないのですから。
これらを、控室の引っ越し準備と相まって行ったため、本当に綱渡り状態でした。この引っ越しも議員団が減ったことから行われる控え室縮小工事のためです
●決算委員会一日目は、神奈川県企業庁の決算が対象です。企業庁は、県営水道・県営電気・地域振興施設等整備の各事業を行っています。
私は、箱根地区水道事業包括委託を取り上げました。この委託は、公営で県企業庁が行っている水道事業を、当該地域については、すべて民間事業者に委ねるものです。第一期の5年間を経て、昨年度第二期の基本契約書が締結されています。
この目的として、契約書は「発注者は、本事業が民間事業者において求められる水道事業の運営実績作りや、ノウハウ習得のためのフィールドを提供し、新たな公民連携モデルづくりへ繋げる」と謳っています。
●私は、「なぜ民間事業者がノウハウを習得しなければいけないのか」を問いました。答えは、「人員不足」です。
しかしながら人員不足は、自ら作り出したものです。2013年厚生労働省健康局作成の「新水道ビジョン」は「深刻な人員不足」を課題として挙げ、それが生じた理由として「徹底した組織人員の削減」と「団塊の世代の大量離職」を指摘しています。
この一連の事情は、民間に委ねる理由にはなりません。自ら行った人員削減政策をやめ、定年退職者にふさわしい新規採用を行えばいいだけの話です。
企業庁から、この点の明確な答えはありませんでした。
●水は、住民の命と暮らしに直結します。採算上の理由や、経営判断などに左右されず、安定的にかつ安全性最優先で低廉に運営されなければなりません。民間事業に委ねるのではなく、公が確実に担うべき仕事です。
災害時の対応、生活困窮者への対応などを考えればなおさらです。水道事業は、私企業の採算性にはなじまない分野です。
私はこれらの点を強調しながら、民間事業者にノウハウを習得させる必要などないことを指摘し、包括委託はやめるべきと主張しました。
●自ら作り出した人員不足を理由として、民間事業者に移行させようとしている狙いには、どこの意図が働いているのかと思います。
現在は、県に責任が残る「委託」の形態にとどまっていますが、あらゆる分野において、「委託」から「指定管理事業」、そして「民間譲渡」というパターンが繰り返されています。水に同じ道を歩ませてはなりません。
今年2月の本会議で知事は、「水道の民営化は考えていない」と明言しました。この点とも併せて考えるならば、フィールド提供は必要ありません。水道事業の包括委託はやめるべきです。
●もう一点予定していた相模ダムリニューアル事業に関わる質問は、時間切れで行うことができませんでした。
この質問通じて、土木・機械・電気などの専門性を県が有することの大切さを伝えたかったのですが。
台風15号・19号の被害を考えても、公務員の必要性、専門家の必要性を痛感させられています。現場力を県が持つことは、県民の命や暮らしに必須です。(2019.10.18)