●中原養護学校の高等部卒業式に今年も参加させて頂きました。卒業生50名。
卒業証書を受け取るのがどれだけ大変なことか。
呼ばれた時に「はい」と答えることが無理な卒業生、自力では受け取るための移動ができない卒業生、また、手渡される証書を、自らの手で受け取ることが困難な卒業生…命がどれだけ懸命に営まれているのかを、思い知らされます。
命が愛おしく、胸が熱くなります。ご両親初め家族の方の注いだ涙と喜びはどれ程だったろうかと、思わずにはいられません。
私はここでも、亡くなった娘への思いも重なり、涙です。
●卒業生と在校生が向き合い、互いへの思いを交わす場は、いつも感動的です。この学びの場をひとつのよりどころとしながら、生き抜いてほしいと思います。
就業が困難なお子さんを抱えたお母さんの「卒業後の生活が心配」との言葉がいつも頭から離れません。
●養護学校の過大規模化が問題とされて久しく、私達は度々養護学校の増設を求めて来ました。現在は、特別教室を普通教室に転用しながらやりくりしている学校が少なからずあります。
中原養護学校も同様で、改修に際しても、教室数を増やせるように工夫することを、私は委員会などで求めてきました。
●最初の視察時、通学バスの時間が長くなると筋肉が硬直し、その筋肉を、先生がマッサージでほぐすところから授業が始まると、知らされました。養護学校を、遠距離通学をしなくてもいい距離に設置しなければ、と強く思ったものでした。
通学も医療的ケアが必要な場合は、保護者が責任を持つことになっています。保護者の負担は大きく、通学時の医療的ケアも含め、看護師さんを増やすことも求めてきました。新年度予算で看護師3人増員を喜んだものですが、今回募集も容易ではないことを知りました。
●通学バスの中を改めて見せてもらうために、乗り込んだとき、バスの乗車口に貼ってある看護師募集の張り紙を見かけました。事情を伺うとなかなか人が集まらない、とのことでした。増員を喜ぶだけでは済まないことを、知らされました。看護師は非常勤です。
知事や教育長、この現場に足を運んだことがあるのかなあ、と思いながら学校を後にしました。(2019.3.13)