●原発ゼロへのカウントダウンinかわさき集会も8回目を数えてしまいました。
このような市民活動が粘り強く、かつ広がりを持ちながら取り組まれている事はうれしいのですが、まだ「やらなければいけない状態」であるという事が重くのしかかります。
廃炉は、技術的に長期間にならざるを得ないとしても、国の原発政策の転換が示されず、再稼働を狙う動きが次々と出てくることに、心穏やかではいられないのです。
●政府や電力会社のこの「懲りない」態度が理解できません。実に多くの人を巻き込んで、8年経っても解決の見通しが立たない事態をどう考えているのでしょうか。
私はいつも思います。
福島に帰れない人が、未だ4万1千人を超えている事をどう考えているのか。
ふるさとも生業(なりわい)も奪ってしまったことに罪を感じないのか。
一面に広がるフレコンバッグを見て、恐れを感じないのか。
汚染水の流出を止められず、海を汚し続けていることに、恐れを感じないのか。
デブリの取り出しも全く見通しが立たない事に、焦りを感じないのか。
自分たちはとんでもないことをしてしまったという悔いを感じないのか。
●あの事故直後に、ドイツは原発政策を鮮やかに変えました。わずか4か月後に、「2022年末までに原発を全廃」することを法制化したのです。この鮮やかな姿が忘れられません。
メルケル首相は、それまで原発擁護派だったのですが、福島の映像を見て原子力についての認識を変えたと述べています。
そして偉大な判断をします。「原子力発電所を安全に運転させることができるかどうかについて、首相として責任が持てない」と、脱原発に転換しました。まことに正しい感性と理性です。
●このような感性と理性を日本でも見たいものですが、「未だ道遠し」が実情です。9基の原発が再稼働され、今東海第二原発が再稼働しようとしているのですから驚きです。
東海村元村長で、現在は、東海第二原発の再稼働反対の取り組みを行っている村上達也さんが、ゲストスピーカーとして訴えました。
東海第二原発は、当初の設計寿命が30年。1978年の運転開始ですから、既に40年を超えています。
福島事故を経験してなお老朽原発の再稼働を狙うなど、日本政府と日本原子力発電の判断は、正気の沙汰とは思えません。
●今年の参加者は1300名。これは例年に比べて多いと思います。そして全国的にも原発反対の集会は増えているのではないのでしょうか。
神奈川県に避難している60世帯175人の国と東電を訴える裁判も横浜地裁で勝利しています。
闘いは続きます。(2019.3.10)